熱海座・坂東玉三郎特別公演

MOA美術館

MOA美術館円形ホール
今年も熱海のMOA美術館での「熱海座 坂東玉三郎 能楽堂特別舞踊公演」に行ってまいりました。3年連続です。2022年2021年の投稿もよろしければご覧ください。

MOA美術館に到着後しても、作品展示はさらに山の上の建物にあるので、エスカレーターを7本乗り継いで進みます。途中には、円形ホールがあり、万華鏡をイメージした映像が見られます。

ちなみに乗用車で行くと、山の上の方の駐車場になるらしいので、この円形ホールを見るには、わざわざエスカレーターを下ってこなければなりません。

今年も熱海座に

MOA美術館能楽堂
毎年11月にMOA美術館内の能楽堂を利用して、舞踊公演をしている玉三郎様。ソロ公演で、歌舞伎座より距離感が近いので満足度は高いでしょう。

今年のプログラムは
一、口上 ~衣装解説~
二、三曲糸の調
でした。

衣装解説では、玉三郎様衣裳について語った後、実際に6~7枚の打掛を披露してくれました。その都度、くるりと回って後ろ姿からの衣裳を見せてくれるのですが、いかにも豪華で重そうな打掛を羽織って、ピタッと打掛の裾までの柄をきれいにせることに感嘆しました。普段の身のこなしや、体力も必要でしょう。

「三曲糸の調」は人形浄瑠璃の「壇ノ浦兜軍記」が元になった演目です。源氏に追われる平景清。その恋人である遊女「阿古屋」は景清の行方を尋問されます。この時の拷問というのが、琴、三味線、胡弓の三曲を弾かせ、演奏に乱れが無ければ無実を認めるというものです。身体的な苦痛ではなく、極限状態での精神的な拷問なのです。

熱海座パンフレット
三曲糸の調

歌舞伎の公演で三味線を弾く姿は見たことがありますが、玉三郎様の琴と胡弓の演奏は初めてでした。私の席は正面のかなり前方だったので、指の動きまでしっかり見ることができました。

専門知識がないので、演奏のレベルがどれほどなのかは判りません。それでも、この役のためにごまかしをするような人ではないという信頼があるので、じっくり楽しむことができました。改めて、「楽器まで完璧にできないと務まらないのね~」と実感しました。

ちなみに今回は「舞踊」が無かったので、後方の席の方にとっては、動きが少ないため、物足りなかったという声もあったようです。

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