皇居三の丸尚蔵館

皇居三の丸尚蔵館とは

天皇陛下御成婚写真
平成元年(1989)6月、上皇陛下及び香淳皇后が、昭和天皇まで代々皇室に受け継がれてきた御物の中から、約6千余点の絵画・書・工芸品などを、国へ御寄贈になりました。これら御寄贈品は、宮内庁で管理することとなりましたが、優れた美術品が多く含まれているため、その保存管理に万全の策を講じるとともに広く国民に公開するために、専門の建物、組織を設置することとなりました。

建物は平成3年1月着工、同4年8月竣工、「三の丸尚蔵館」と名付けられ、ここに作品を収蔵するとともに、同5年11月3日より一般展示公開が始まりました。その後、各宮家からの御遺贈品が加わりました。

皇室のみやび~受け継ぐ美~

今年11月、開館30周年を迎え、新たに「皇居三の丸尚蔵館」として装いも新たに開館することを記念して、約8カ月にわたり「皇室のみやび」をテーマに各収蔵品を4期に分けて展示することになりました。

伊藤若冲動物画
今回の第1期では、伊藤若冲の絵や、蒙古襲来絵巻等の国宝、そして今上天皇のご成婚30年を記念した展示も見ることができました。

ちなみに、会場は皇居大手門を入ってすぐです。普段から解放されている皇居東御苑の中にあります。手荷物検査があります。

今回の展覧会の入場には、ウェブ予約が必要です。入館料は一般1000円です。18歳以下と70歳以上は無料ですが、予約は必要で、当日は身分証明書の提示が求められます。障がい者手帳をお持ちの方と、付き添いの方1名も無料です。

圧巻の展示

国宝の絵や巻物の展示はもちろん素晴らしいのですが、今回の私の一番の目的は、今上天皇の婚礼や即位の礼着用した衣裳が見られることでした。

一番上の写真のローブデコルテをガラス1枚通して、数十センチの近さで見ることができます。シルクの生地の質感や地の柄模様や、刺繍の糸まで確認できます。手に持った可愛らしいバッグも一緒に展示されています。

即位の礼の儀式で着用したお二人の衣裳も、ガラスを通してではありますが、しっかり見ることができました。陛下の装束は「黄櫨染」(こうろぜん)という特別な方法で染色されたもので、平安の昔から、天皇陛下のみに許された禁色の装束なのです。

皇后陛下の十二単も展示されていました。重ねた袿(うちき)の色のグラデーションの美しさに目を奪われました。それでも、衣装すべてで15~20㎏と言われる衣裳ですから、その大変さが偲ばれますね。
即位の礼

ロンドンのケンジントン宮殿では、ダイアナ妃の衣裳を展示しています。以前私が行った時には、日本で来ていた大きな紅白の水玉模様のワンピースを見ることができました。それはそれで素晴らしかったのですが、やはり「歴史ってすごい」と今回は改めて感じました。

以前の投稿「外国人の質問①天皇制に賛成ですか?」で書いたように、私は天皇制に反対か賛成かという思考をしたことがそれまでありませんでした。今でもはっきりとした考えは持てないままです。それでも、この古い伝統を持つ日本という国の、文化を担う大きな存在が皇室であることは言うまでもなく、誇って良いものだと改めて思いました。

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