イタリアで思い出したこと
ツアーでローマの観光をしていた時のことです。私にとってはいつもの風景だったのですが、ツアーのお客様が私に近寄ってきて、次のように言いました。
「添乗員さん、モテモテですね」
「さっきから、添乗員さんに向かって色々な男の人がニコニコしながらジ~っと熱い視線を送っていますよ。気付いていないんですか?」と。
ローマのコロッセオと言えば、団体ツアーでなくても観光客が必ず来る場所です。毎度のことですが、現地ガイドさんの説明が終わり、写真タイム等のフリーの時間になると、彼らは私のところにやって来てこう言います。「このあと時間ある?」と。
私はモテているのでしょうか?ナンパされているのでしょうか?いいえ、違います。
着い視線の正体とは
彼らの正体は現地のカメオ店、ベネチアングラス店、土産店などのスタッフたちです。グループを店に連れて行くのが彼らの仕事なのです。スケジュールに余裕があれば、買物に来ないかと、添乗員に聞きに来ているのです。
だから私に熱い視線を送って、「このあと時間ある?」と聞きに来るのです。正確に言えば私が連れているお客様の財布に熱い視線を送っているのです。
首になりたくありません
もし時間に余裕があって店に行き、お客様が買い物をした場合、添乗員とガイドにそれなりの「お礼」がされるはずです。ツアーでお土産店に立ち寄った場合、ある程度の手数料が旅行会社に支払われていることを、多くの方はご存知と思います。
バレなければいい?そうですが、バレます。数千円~1万円位で首になったのでは割に合いません。
フリーランスや派遣で添乗員をしている人なら、他の旅行会社で仕事をすれば良いかもしれませんが、クライアントをひとつ失うというのは大きなことですし、狭い業界で良くない噂が広まると、信用問題です。
ということで、今日も私は賃貸アパートでこの記事を書いているというわけです。
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