世界のドライバー⑧イタリアの色男

イタリア男が言い寄ってくる? 

フィレンツェの風景画
イタリアへのツアー添乗では、ドライバーからは「必ずお誘いがある」と先輩添乗員から噂に聞いていました。初めて行った時は、それなりに覚悟して行ったものです。ところが、何度行っても私に言い寄ってくるドライバーはなかなか現れませんでした。

色気のない方だと思っているので、さすがにイタリア人にもヒットしないのね~と、すっかり忘れた頃にそれは突然やってきました。

イタリアの色男

ある時のドライバーがやたらと色男でした。年は50歳位、渋い魅力がだだもれのドライバーでした。女性のお客様も「ドライバーさんステキ」と、目が♡になっています。

俳優・アンディ・ガルシア
アンディ・ガルシア
実は私の一番好きな俳優、アンディ・ガルシアに雰囲気が似ていました。私としても、「お~、今回は好みのタイプだわん♪」と上機嫌でした。仕事ぶりも落ち着いた安全運転、道がわからないなどということはなく、充分通じる英語を話してくれます。毎日快適でした。途中でお世話になったガイドさんたちの評価も高いドライバーでした。「良い人に当たったね」と、各所で言われました。

ツアーでは食事の時はお客様とドライバーは別のテーブルになるのが普通なのですが、お客様がドライバーと一緒に食事をしたいとリクエストしてきました。そこで、ホテルの夕食時に長テーブルに全員分の席を作ってもらいました。お客様からしたら、私はいなくても良いので端に追いやられてしまい、ドライバーがテーブルの中央で、主賓のように座ることになりました。

ところが、まともに英語を話せる方がいなかったため、お客様はただただドライバーを見つめてニコニコしているだけでした。さすがにドライバーが音を上げて「勘弁してくれ~」と私に助けを求めてきたのが、可笑しかったです。

最後の夜に

ツアーの最後の地となるローマに入る前の夜に、ドライバーから「夕食後、バーで飲まない?」とお誘いがありました。ローマのドライバーなので、明日はホテルに私たちを送った後は、自宅に帰るのです。「きた~~~!」とうとう私にもイタリア男からの誘いがきました。
バーのイラスト

ところが、私はアルコールアレルギーなので、お酒は飲めないのです。「コーヒーなら」ということで、ドライバーと30分程バーで話をしました。

ツアーのことや日本のことなど、世間話のような話をしましたが、私としては「お客様に誤解を与えるようなことは避けたい」という考えの方が強かったので、「眠くなったから」と部屋に引き上げました。

ドライバーがどういうつもりでバーに誘ったのか、今となっては謎ですが、私としてもかなりの好みのタイプでしたから、フラフラしそうで危なかったです。

首にもならず、今も添乗員をしていられるのは、あの時の自制心の賜物と自分を褒めています。残念だったかな?

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