舞踊家・市川ぼたん

團十郎娘
期待していなかったのです 

12月の市川團十郎白猿襲名披露公演に行ってきました。

幹部俳優が勢ぞろいした華やかな口上と「助六」の間に、「團十郎娘」という舞踊がありました。踊るのはもちろん團十郎の娘・市川ぼたんさんです。

ぼたんさんの踊りを見るのは初めてでしたから、失礼ながらまったく期待していませんでした。

新之助はカンカン時代の「初お目見え」から折に触れ見てきました。その印象は「名優・堀越勘玄」の投稿をお読みいただければと思います。

今回のぼたんさんにはさすが、「名優・堀越勘玄」の姉」と感心しました。

團十郎娘とは

文化10年(1813年)に7世團十郎によって初演された所作事です。歌舞伎座の本公演で女性が出し物をするのは60年ぶり、11代團十郎の襲名披露興行以来だそうです。

團十郎娘
琵琶湖のほとりが舞台。力自慢ので評判の團十郎娘お兼ですが、愛らしく繊細に心情を表現し踊ります。やがてお兼の力を試そうと、漁師たちが打ちかかります。お兼はそれを軽やかにあしらい、長いさらし(晒)を巧みに、華麗にひるがえし踊ります。

拍手喝采

私には、日舞の心得はありません。上手なのかどうか、本当のところは判りません。見る前は、役者の娘の「ごり押し舞台」と勝手に思い、学芸会を見るつもりで行きました。

ところが、しっかり「舞踊家・市川ぼたん」でした。観客を魅了し、難しいであろう、大変であろうさらしを使った踊りを最後まで踊り切りました。力自慢の團十郎の娘の役で、体力的に大変であろうことは容易に想像できる演目でした。

最後は拍手が鳴りやまないほど、場内を盛り上げました。

團十郎の子供たちは、しっかり育っていますね。色々言われていますが、お父さんがしっかり愛情をもって育てていないと、あんな子供たちにはならないと思います。批判に負けず、お父さんも頑張ってください。

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