名優・堀越勸玄

歌舞伎の愉しみのひとつに、名門と言われる家に生まれた子供が成長し、役者として育っていく過程を見ることができるということではないでしょうか？

2013年3月22日に生まれた、市川海老蔵の子、勸玄君もワイドショーや密着番組のおかげで、生まれてすぐにマスコミに登場しましたね。

市川家の命ともいえる、大きな目を持つ愛らしい姿が、美しい母・麻央さんに抱かれて登場しました。数年後、初舞台を迎える時を楽しみにしてい

たところ、早くも初お目見えの話題に。

外郎売

これは見逃せないと、早速チケットを買いました。初日の勸玄君の様子が一番上の写真ですね。ワイドショーでしきりに紹介されていましたので、楽しみに出かけました。

私が行った日は初日から3日目だったでしょうか。3歳にもならない子供が大きな歌舞伎座の舞台であいさつをしたのですが、こちらの想像を超えていました。

慣れてきたのか？座ってから父の真似をして扇子を前に置きました。それだけで拍手喝采！そして挨拶をした時に、衝撃が走りました。

「ほりこしぃ、かんげんにぃ、ごじゃりまするぅ」

絶妙な間の取り方はまるで大向うから「成田屋！」と声がかかるのを待つようにも思えました。練習したかもしれませんが、初日の映像と比べてもかなりの進歩をうかがわせました。

早すぎるとも思えた初お目見えが、きっと麻央

さんのためであったろうということは、後に皆

が知ることになりますが、その時はただただ立

派に勤め上げた勸玄君に感動しました。

2018年は「源氏物語」で春宮を切なく演じました。哀愁のある演技に感涙💧💧

2019年の「外郎売」で4分間に及ぶ早口セリフを抑揚をしっかりつけ、メリハリのある節回しで演じました。

すでに繊細さと、豪快さを演じ分けできています。この先の歌舞伎界を想像して楽しみが増えるばかりでした。子供だからとひいき目に見ているのではありません。父親である海老蔵氏の新之助襲名披露公演時の「外郎売」もYouTubeで見られますので、比べてみてください。

2020年の新之助襲名はコロナのせいで流れてしまいました。近い将来、父・團十郎白猿と共に大きな襲名披露公演を勤めなければなりません。想像を絶するプレッシャーが小さな肩にかかるのが不憫でなりません。でも、きっと大丈夫。

すでに彼は「名優」だと思うので。