とんでもお客様①幽霊の正体見たり。。。

添乗中のおもしろかったこと、感動したこと、ビックリした話を時折友人たちにしていました。面白いからブログにも書いたら?と提案されました。そこで今後は「とんでもお客様」と「ステキなお客様」シリーズとして記事をアップしていこうと思います。

ステキな教会なのに

スイスのリゾート地
スイスのツアーに行った時のことです。ツアー中盤で山岳リゾートホテルに宿泊しました。
町のランドマークにもなっているステキな教会の近くで、部屋の位置によっては窓から教会の塔が見えました。

「ステキなホテルね~」と喜ぶ声が聞こえていました。良い天気だったので夕食までに近所を散歩する方も多くいました。日が長い時期ですし、メルヘンチックな街を歩くのは誰にとっても楽しいものです。

私が部屋に入った頃、お客様から部屋に来てほしいと電話がありました。その方たちは友人同士の女性2人組のお客様でした。そのうちの一人が、「私は霊感が強いから教会の前の部屋には泊まれない」と言ってきました。

ホテルの部屋
困りました

トップシーズンのスイス。チェックインの時に「満室だから、部屋の変更はできないよ」とホテルのスタッフに言われていました。

他のツアーメンバーの方に部屋を替わってもらうことを提案しました。教会の見える部屋なので喜んで替わってもらえるはずでしたが「迷惑をかけたくない」とのことでダメでした。

霊感が強いという方から、「添乗員さんの部屋と替わってくれればいいから」と言われました。しかし私の部屋はシングルです。すると、「霊感が強いのは私だけだから、私が添乗員さんの部屋で寝ます」と言ってきました。

その時私が疑問に思ったことは
①霊感が強くて幽霊が怖いのに、部屋の位置が変わるだけで大丈夫なの?
②幽霊が怖いと言いながら、添乗員と寝るのは自分ではなくお友達の方?
今思えば突っ込みどころ満載ですが、お客様が困っているのだからと渋々承知しました。

幽霊が出ました

イビキをかく女性のイラスト
その日、夕食を終えて私は霊感のない方の女性と一緒に部屋にいました。添乗中は部屋にいる時だけがくつろぎタイムなので、正直なところ気が重い時間でした。それでも仕方がないので、「先にお風呂どうぞ。日報を書いたり、明日の準備をするので」などと話しました。

しばらくして風呂から出てきたお客様が、「お先に」と言って部屋の電気を全部消して真っ暗にしてしまいました。「え~~!まだ私、起きているんですけどぉ~」と心の中で叫びました。仕方がないので日報は諦めてさっとシャワーを浴びました。

バスルームから出たその時、私は霊感が強いと言ったお客様が毎晩見ていたのであろう「幽霊」を見たのです。
それは今私の目の前にいる女性でした。びっくりするくらい大きな音でいびきをかいていたのです。これを毎日聞いていたのでは堪りません。

その方たちはお友達同士ですが、一緒に旅行するのは初めてだと言っていました。せっかく一緒に旅行に来たのに、相手の都合を無視して電気を真っ暗に消され、轟音を響かせて安眠を何日も妨げられたのでしょう。

幽霊は出ませんでしたか?

翌朝、朝食会場で霊感女性はバツの悪そうな顔で私を見てきました。「昨夜は大丈夫でしたか?」と聞いてみました。大丈夫だったことと、お礼を言われました。
自分が寝不足だったので、余計その方が元気でスッキリしているように見えました。
その日は移動して、大きな町のホテルにチェックインしました。また何か言ってくるかもと待っていましたが、その日はそのまま2人でお休みになったようでした。

以前に記事にしたように私には霊感がないようです。それなのに、意外過ぎる幽霊を見せられたものです。
私まで被害者にしないでほしかったです。霊感なんて言わずに、正直に言ってほしかったです。友人が他人への配慮ゼロで、いびきがうるさくて眠れないと。
きっとあの人たちは2度と一緒に旅行に行かないでしょう。

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