出発前の電話で
1人参加の70歳代の女性が、「私はアンカラに住んでいたことがある」と話してくれました。トルコの首都アンカラに住んでいた人がツアーに来るなんて珍しいし、心から楽しみに感じたので、「現地の生活のことなど、ツアー中にゆっくり聞かせて下さいね」と、電話を切ろうとしたところ、質問があるというのです。
「トルコのお土産は何がいいの?」と。私はあまりのことに「???」と少しパニックになりつつ「えっと~、ツアー中にガイドさんからもご紹介がありますし、グランドバザールやじゅうたん店にも行きますので、ご安心下さい」と電話を終えました。
「住んでいた」って言ったよね?どういうこと?と思いましたが、20年前だと言っていたので、忘れてしまったのかな~?と自分を納得させました。海外駐在員の奥様はそんなものかもとも考えました。
挨拶ひとつできない?
現地到着後の観光は、有能なベテラン日本語ガイドが案内をしてくれますので、楽しく進んでいました。ガイド氏にも、「この方は、アンカラに住んでいたそうです」と紹介しました。ガイド氏にとっても「へぇ、珍しいですね」と興味を持つ人物になりました。
ところが、どう見てもおかしなことだらけなのです。トルコの挨拶と言えば「メルハバ」です。英語の「ハロー」にあたり、誰でもすぐに覚えられる言葉ですし、住んでいた人が知らないとは思えません。いくら駐在員妻と言えども、こんな簡単な言葉さえ知らないものでしょうか?
「ありがとう」は「テシュキュール・エデリム」で、少々難しいですが、ツアー後半にはほとんどの方が言えるようになります。これもまったく知らないと言います。
ガイド氏が興味を持って色々質問するのですが、「住んでいた」という話がだんだん怪しくなってきました。そういえば出発前に「お土産は何がいい」と質問されたことを思い出しました。
「ウソだよ~」と、ガイド氏
ガイド氏との会話も「大統領に会ったことがある」「何て言う人ですか?」「エルドアン大統領」「その時期にエルドアンは大統領ではないですよ、一体誰と会ったの?」と、チグハグだらけ。私も薄々感じていましたが、「ウソついているよね」というのがガイド氏の意見でした。
トルコ好きの私にとっても、住んでいたとは思えない言動の数々でした。レストランで「水が欲しい」というので注文したら、「水だよ!」と怒っていました。トルコ語で水は「ス」と言います。私が話したトルコ語の「ス」の注文をこの方は理解できなかったのです。「ス=水」というこれ以上ないくらい簡単なトルコ語がわからないなんてあり得ないと思いました。
ツアーの後半は、私は何とか盛り上げようと話しかけるたびに、「あんたとは話したくない」と怒っていました。なぜ私に八つ当たりするでしょうか?すべては自分の嘘から出たことではないでしょうか?今思い返しても、この方がウソをついた意味が解りません。
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