日本人の質問②現地ガイド~勉強編~

モンサンミッシェルの写真
 ~資格編~で海外の現地ガイドの就労やガイド資格についてお知らせしました。

各国で厳しい条件や研修、試験が課されていることがわかります。資格取得の苦労を思い、改めて尊敬の気持ちが湧いてきます。

今回はガイドのライセンス資格が不要の場所や国で、どのように勉強するのか?を紹介します。

現地のガイド会社に所属した場合

①会社が作成したマニュアルを覚える。
②自分なりに現地で資料や文献を読んで、知識を仕入れる。
③先輩ガイドの仕事に同行し、実地での案内を学ぶ。
④実際にお客様を案内し、先輩ガイドに聞いてもらい最終チェックを受ける。
その後めでたくデビュー♪となります。

フリーランスのガイドの場合 

自分で勉強をして、評価をされて仕事を受けるようになります。過去にガイド会社に所属していて今はフリーという方もいますが、実績がないと仕事が来ませんし、かなりの専門性と実力が必要です。                                         
勉強する女性のイラスト

私の勉強法

私が現地のガイド会社に所属した時、実際にどのように勉強したのかもご紹介します。

もともと添乗員として働いていたので、他の新米ガイド達よりはアドバンテージがありました。それだけに、「新人と同じレベルではマズイ!」という意識がありました。

マニュアルを覚えることはもちろん、現地で買った400ページもある英語のガイドブックを読んで使えそうな部分を探したり、地元の博物館の資料を読み漁る日々を送りました。
現地で自分で学んだ資料には、マニュアルにはないエピソードが沢山あり、ガイディングの内容に高いレベルとオリジナリティを持つことができたと思います。先輩ガイドが知らない話題もあったので、「あの話はどうやって仕入れたの?」と聞かれました。

現地で会った添乗員たち 

高慢な添乗員がいました
ある時、空港で合流したグループのベテラン添乗員がなぜか大変不機嫌でした。その日はバスで移動してホテルにチェックインするのみ。ガイドが乗らず、添乗員だけで進めることのほうが多い行程です。そのせいでしょうか、「私でもしゃべれるけど、じゃあ、やって!」と上から目線で投げやりに言われました。
さすがに「カチン」ときましたので、普段は話すことのない、博物館の資料室で仕入れたネタを話しました。すると見る見るうちに添乗員の顔色が変わり、「今までに聞いたことがない話ばかりでした」と言ってきました。「ガイドは皆、この程度の勉強は当たり前にしていますよ!」と言い返したときは気持ち良かったです。
ガイドが話していることが、知っていることのすべてではないのです。行程に沿った基本的な案内をすることが多いのですが、その時のお客様の目的や様子によって話の内容を変える工夫もできるように勉強しているのです。べテラン添乗員の高慢な態度がすっかり変わりました。👍
海外の教会の塔の写真

ダメダメなガイドもいました
たいていは感心し、尊敬してしまう現地ガイドがほとんどです。が、新人で自信がなく、小さな声でボソボソ話すガイドに会ったこともあります。そんな時は「大きな声ではっきり話せば大丈夫。頑張ってね!」と励まし、お客様には「元気に案内してくれましたね」とフォローするしかありませんでした😂💦

添乗員、現地ガイドの両方の経験があるので、双方の立場と気持ちがわかります。どちらの立場でも大切なのは、お客様にとって良いツアーにするために”協力”することです
                         
ところで、ガイドとして大切なことは何だと思いますか?
知識?語学力?いいえ!大事なのはきれいな日本語で話すということです。現地で言われてびっくりしました。
ご満足いただけるように心配りすることが第一ですが、日本からのお客様を案内するのが仕事ですので、きちんとした日本語で話すことが何より必要なのです。丁寧さはもちろん、敬語(尊敬語、謙譲語)を正しく使い、はっきり聞きやすく話すことが大切なのです。

💬
海外に行けない現在、現地ガイドの皆さんはどうしているのか?大変気になります。
また海外に行けるようになり、現地ガイドさんに会ったら、観光だけでなく、現地の生活などについても質問してみてください。
旅の印象が一層深まることでしょう。

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