添乗員のグチ⑲ご朱印に思うこと

ご朱印
ご朱印とは

在では観光で神社やお寺に気軽に訪れ数百円でいただくことができる御朱印ですが、昔は簡単にいただけるものではなったそうです。

御朱印の本来の主な意味合いは願掛けだったとされており、神様仏様に手を合わせるだけでなく、強く願いを叶えてくれる写経を奉納する必要があったのです。

写経は、仏典の保存や先祖供養、祈願成就、精神の安定などを目的として行われています。お経を書き写すということは、経を唱えることにも通じ、納経した証として御朱印をいただくというのが元々の意味です。このためご朱印帳のことを「納経帳」とも言います。

本来は神社とお寺のご朱印帳は分けるべきものだそうです。神社や寺によっては注意を受ける場合があるそうです。お気を付けください。

大行列のご朱印所

先日、ツアー添乗である有名な神社に行きました。混雑が予想されましたので、前日にお客様に「ご朱印は添乗員が代わりに並んで、いただきましょうか」と提案してしまいました。当日行ってみると、春休みが始まっていたせいか、普段にも増して大行列ができていました。100人はゆうに並んでいたでしょうか?自分から気軽に提案してしまったことを大変後悔しました。

困っている女性のイラスト
さすがに困ってしまい「1時間くらい待つようですけど、どうしますか?」とお客様に聞いてみました。私としては「じゃ、悪いから諦めます」という答えを期待したのですが、「え~そうなんですね。本当に助かります」との返事でした。

こうなると、今更断ることができなくなりました。幸い団体ツアーなので、お土産屋さんの案内人がついていましたから、お客様をお任せし、ずっと並び続けました。並び始めてご朱印をいただくまで結局約50分かかりました。

翌日は小さな町の神社に行きました。ご朱印に並んでいる人は少ないはずでしたので、ご自身で行っていただくつもりでいましたが、「ハイ、今日もお願いね」と、何の迷いもなくご朱印帳を渡されてしまいました。「ご朱印は添乗員がもらってくれるもの」と悪気もなく思ったのでしょう。

ご朱印に並ぶ人々
工夫してほしい

ご朱印にはご朱印帳に書いていただくだけでなく、「一枚紙」と言って、前もって書いてある紙をいただくこともできるのをご存知でしょうか?ご朱印帳を忘れてしまった場合などに、後から貼ることができて便利です。

50分並んでやっとご朱印所の前にたどり着いた時に考えたことがありました。3~4人の神職の方が一生懸命ご朱印を書いているのですが、できたら一枚紙用の列を設けてほしかったと。お正月で混雑する時や、人出の足りない寺社などでは、一枚紙でしか対応しない寺社もあるのですから。

その神社でも1日に数百枚、時にそれ以上のご朱印を渡しているはずです。予め書いておいていただき、一枚紙専用の列を設けていただいたら、もっと並ぶ時間が短かったはずです。私のお客様にも「今日は混んでいるから、一枚紙でもらってはいかがですか」という提案ができた思います。

広くない神社の通路をご朱印に並ぶ人がおよそ1/3も塞いでしまい、参拝だけの人にも迷惑がかかっている様子でした。何とかならないものでしょうか?最近では外国人までご朱印帳を持って並んでいます。有名どころでご朱印を予定される場合は十分時間に余裕を持って行きましょう。

コメント