筑紫哲也さんの言葉

衝撃的だった筑紫さんの言葉
筑紫哲也

"報道機関というのは形のある物を作ったり売ったりする機関ではありません。そういう機関が存立できる最大のベースというのは何かといえば、信頼性です。特に視聴者との関係においての信頼感であります。

その意味で、TBSは今日、死んだに等しいと思います過ちを犯したということもさることながら、その過ちに対して、どこまで真っ正面から対応できるか、つまり、その後の処理の仕方というのが殆ど死活に関わるということを、これまでも申し上げてきました。その点でもTBSは過ちを犯したと私は思います。

そして、今日の発表の結果というのも、まだ事は緒に就いたばかりで、これからやるべき事はいっぱい残っているだろうと思います。その中で、自分たちがどういう事を考え、何をやっているのかという事を、もう少し公開すると言いますか、きちんと説明するということも一つの勤めだろうと思います。

実は、こう言うことを申し上げるべきではないのかもしれませんが、今日の午後まで私はこの番組を今日限りで辞める決心でおりました。私はTBSの社員でもありませんし、直接、事件のことを知っている訳でもありませんけれども、信頼性と視聴者の関係で言えば、TBSの顔の役割を果たしてきただろうと思います。その責任もあるのではないかと考えまして、その後、番組が始まるまで、スタッフや局内の人達と随分長い議論をいたしました。

ここまで落ちて、一旦死んだに等しい局ですけれども、これから信頼回復のために、あるいは蘇るために、努力をしようとしている人たちもいます。ある意味では、みっともない事だとは思いますけれども、とにかく、その人たちと一緒に、しばらくの間はその為の努力をしたいと思います。これまでも局内で、あるいは番組でもいろいろな自分の意見を申し述べてきました。これからも一層その努力をして、テレビのあり方も含めて、これを機会にして大いにきちんとすることが、せめてもの坂本ご一家に対する償いではないかと思っております。” (NEWS 23でのコメント)

坂本弁護士一家殺害事件に関して

坂本弁護士一家の写真
筑紫哲也氏の言葉をご紹介しました。当時、マスコミでの仕事を希望し、氏を尊敬していたていた私としては、かなり衝撃的な言葉でした。

当時問題になりつつあったオウム真理教の被害者救済にあたっていた坂本弁護士のインタビュー映像を、TBS記者が取材時にオウム幹部に見せたことが原因となり、後に一家がオウム信者に惨殺されるという事件に発展してしまいました。当初、TBS は映像の存在を否定し、オウム幹部に見せたこともないと証言していましたが、それが嘘だったのです。

取材元を秘匿するという基本がまったくなされていなかったこと、映像を見せたことを隠したために、その後の捜査、事件解決を遅らせたことにも責任を問われることとなり、その記者が担当するワイドショーは即打ち切りとなりました。

この問題を受けて、夜のニュース番組のメインキャスターを務めていた筑紫哲也氏が、TBS の番組中に上のように発言したのです。自身が社員でないこと、クビになったところで痛くも痒くもない立場だから言えたことかも知れません。

フジテレビ経営陣の記者会見
現在起こっていることに

それでも、今、筑紫哲也氏がいたら何と言っただろうと考えてしまいます。

特に遠藤龍之介副会長、今回のこととは関係ありませんが、私はお父様の大ファンです。テレビの中の姿を見て悲しくてなりません。

ついでにもう一つ。質問している多くの記者の質問力、レベルがひどかった。

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