隣の大国さん②100万人が移住

ゆったりクルーズで

リバークルーズの船
その国で大きなダムを造るという国家プロジェクトが進行していた頃、日本からはその沿線にある自然景観や歴史的な観光地を訪ねるクルーズツアーが流行していました。

元々その方面にはあまり行ったことがなかった私でも、クルーズツアーには1回だけでしたが行きました。興味のない地域だったこともあり、勉強不足でした。その地域にも歴史にも詳しくなかったので、聞くこと見ることすべてが珍しいことばかりでした。現地ガイド氏がいたとはいえ、今更ながら反省しきりです。

川沿いに新しい町が

リバークルーズの船
町のイメージです
1週間ほどのツアーで、船には3泊くらいしたでしょうか?川ですから、あまり揺れることもなく悠久の歴史と共にツアーは進んで行きました。いろいろな観光地でガイド氏がたくさんの話をしてくれました。歴史や文学に詳しいツアー参加者があれこれ質問をしていましたが、私が気になったのは、川沿いに見えた大きな町でした。

建物が沢山見えたのですが、違和感がありました。全部が新しい建物だったのです。古い建物と新しい建物が混在するのが通常の街の景色だと思いますが、明らかに新しい建物ばかりの一群だったのです。

強制移住!?

巨大ダム
「あの町は建物が全部新しいですね」と聞いてみました。するとガイド氏が「あれは強制移住した人たちの街ですよ」と教えてくれました。日本でも、ダムの建設と共に村がダムの底に沈んだなどと言う話は聞きますので、始めはビックリはしませんでした。

それにしても大きな町に見えたので「何人位の人が強制移住させられたのですか?」と聞いてみました。すると「そうですねこのダム建設のために移住した人は100万人以上でしょうね」と返事が。これには私もお客様も目を丸くしました。その国では土地は私有できず国家所有と聞きましたから、仕方がないことではありますが、あまりにも大きな数字でした。後に調べてみたところ、ダム建設によって総数で約140万人が移住を余儀なくされたということでした。

日本だったら反対運動で政府が転覆しそうですね。その前にそんなプロジェクト自体が成り立たないですね。その国でも移住に関しては多くの問題を抱えたそうですが、出来てしまうことがスゴイと感じました。さすがスケールの大きな国は違う!と妙に感心しました。

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