世界遺産で感じること
普段、ツアーのお客様と観光で訪れている場所が新たに世界遺産になることは嬉しいものです。
しかしながら、世界遺産になったとたん、観光客が急激に増えることに辟易しています。「世界遺産だから素晴らしい」と、インタビューで答えている観光客をテレビで見ましたが、そういった価値観の人が結構多くいるのが不思議です。
石見銀山や富岡製糸場などは知らなかったという人が多かったかもしれませんが、富士山や日光を知らなかったという方は少ないはずです。もともと素晴らしいから世界遺産になったのではないでしょうか。
それに伴い、ニュースを見て早速話題の場所に行ってみたい、という気持ちは理解できますが、世界遺産登録決定のニュースの次の日から大渋滞などと聞くと、私は「行きたくない」と思ってしまいます。
現地の対応も変わります
世界遺産になる前からツアーではずっと行っていた場所でも、世界遺産登録を機会に入場料が上がったり、購入方法を変える施設があり、多くは改悪されて残念です。
ある世界遺産では、世界遺産になったとたんにチケット購入の「団体窓口」がなくなりました。世界遺産になって1か月後位に行ったある施設でのことです。チケット購入の長い列が見えたので、団体窓口に行こうとしたら見当たりません。
スタッフの方に「団体窓口はどこですか?」と聞いたら「団体用はないので列に並んでください」と言われました。以前は団体窓口があったはずです。仕方なく個人客が20人位並んでいる後ろに並んで手続きし、チケットを受け取りました。私の後ろになってしまった個人客の方は、私が数十枚のチケットを購入し、支払いし、枚数を確認するため、その分の待ち時間が長くなってしまい迷惑だったことでしょう。
その頃にはバスガイドさんに連れられてきたお客様も、すでに到着してチケットを待っていました。世界遺産登録直後だったら、もっと個人客が多くて、もっとお待たせしたのかもしれません。どんなに寒い冬でも、観光客が少ない平日でもツアーのお客様は来ていたのに、世界遺産になったとたん、団体客に対する「冷たい扱い」に大変残念な気持ちになりました。
感じの悪い冷たい対応
先日、プライベートである世界遺産に友人と出かけました。昨年ツアーで行った時にチケット購入の列が200m位、数百人が並んでいたので、インターネットで事前にチケットを買っておきました。そこでは、団体とネット購入者は通常の列に並ばずにチケットに引換ができることを知っていたからです。
この日は昨年のような長い列はありませんでしたが、それでも個人用の窓口には30人位は並んでいたでしょうか?私は横にある窓口で、ネットで事前購入をしたことを告げてスマホの画面を提示しました。スタッフの方は「2次元コードを出してください」と言ってきたので「メールで送られて来ないんですけど、どうしたらいいですか?」と聞いてみました。
すると「私達はそのサイトとは関係ありませんから」と言われてしまいました。かなり公式サイトに近い、多くの人が利用しているものなのですから、「こうするんですよ」と言えるくらいのことは知っていてほしかったのですが、私の甘えなのでしょうか?結局、2次元コードはメールに来るのではなく、サイト内の別のページですぐに表記でき、事無きを得ました。
「世界遺産」の名のもとに多くの観光客が絶え間なく訪れています。だからと言って、以上の2施設のように態度、対応が悪くなるのは本末転倒なのではないでしょうか。
友人と「さすが、世界遺産だね~」とぼやきました。
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