トラベルトラブル⑱現地ガイド同士でケンカ

有難い現地ガイドですが

地球のイメージイラスト
ある国ではツアーには必ず現地ガイドが付きます。上手に日本語を話し、この国の方針ではありますが、最初の空港から最後の空港までピッタリと「お世話」してくれます。添乗員にとっては有難い国で、新人添乗員が初めての海外添乗で行く確率が高い国かもしれません。

私が初めてこの国に行ったのは、添乗員になってから5~6年経ってからでした。ほとんどガイドが付かない国にも行っていたので、その国の手厚い保護に驚きました。

この国では、最初の都市から同行するスルーガイドの他に、他の都市では場所ごとのポーションガイドが来ます。最初に付いたガイドと都市ごとのガイドの2人のガイドがバスに乗っている場合があるということです。ここが他の国とは違うところです。

ケンカをする人たちのイラスト
良い面と悪い面が

添乗員からすると、ずっと一緒にツアーを運営しているスルーガイドと都市ごとに詳しく案内してくれるガイドのダブルサポートは、大変心強いです。スリの多い観光地では、お客様を見守る目が多くなることも安心です。

ところが、ある時大変なトラブルが起こってしまいました。2都市目の観光を終えて食事に行こうとした時のことでした。スルーガイドとポーションガイドがバスの中で何やら言い争いを始めたのです。私はもちろん、お客様もすでにバスに乗っています。現地の言葉は解らないものの、気の強い女性2人が明らかに言い争をしていることが判りました。

私は「何か問題ですか?」とスルーガイドに聞いてみました。ケンカの原因は、この後に行く宝石店の立ち寄りを私がカットして欲しいとスルーガイドに前日に依頼し、会社を通して了解を得ていたことでした。これが現地ガイドに伝わっていなかったらしく、ガイド同士で言い争うことになったらしいのです。

宝石店のイメージ
ガイドが怒った原因とは?

私がこの日の宝石店の立ち寄りをカットしたのは、最初の都市ですでに宝石店に行っていたからです。国の方針として店に連れて行くことが大切なのはわかっています。でもあまりに頻繁だとかえってお客様は買わないし、ツアー自体の評価が下がると思ったからです。しかもこの時点で食事時間の予定から40分も遅れていたのです。

現地ガイド嬢にはカットを提案したのは私で、会社にも了承を得たと説明し、怒るなら私に怒ってほしいと話しました。ガイドさんとしては手数料収入が減ってしまうので申し訳ないと謝りました。やっとガイドさん同士のケンカは収まりましたが、お客様は完全にシラケてしまいました。

やっと食事会場のレストランに着きました、すっかりお腹も空いています。到着前にガイドさんが「レストランは2階です」と説明してくれました。到着してみると「ビックリ」&「呆れる」状況になりました。行く予定だった宝石店を断ったことであれだけモメ揉めていたのに、レストランの1階が宝石店だったのです。宝石店の奥のエスカレーターで上がって2階に行く造りになっていました。私もお客様も開いた口がふさがりませんでした。

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