日本人の質問㉗障がい者の多い国

パラリンピック開会式

パリパラリンピック開会式
パラリンピックのパリ大会の開会式を見ていて思い出したことがありました。以前、ツアー参加者からされた質問です。

そのツアーはカナダを観光するツアーでした。カナダ一の大都会トロントの観光中に「添乗員さん、カナダって障がい者が多い国なんですか?」と質問されました。

町の観光中にそんな印象を持ったことにも驚きましたし、なぜ「障がい者が多いと感じるのか」と考えずに質問してきたことにも驚きました。

障がい者が多い国?

お客様が「カナダに障がい者が多い」と思ったのは、目に見えるところに車椅子で移動している人を多く見かけたからでしょう。トロントという大都会でも、ひとりで車椅子で移動している人が確かに多いです。

ひとりで車椅子で出かける男性
以前、アメリカの東海岸のツアーに車椅子の参加者がおひとりいたことがありました。心配でしたが、どこに行っても車椅子のルートが確保されており、空港やホテルでもスタッフがすぐにヘルプに来てくれました。「さすが!」と感心しました。クルーズツアーに行った時も、車椅子の方が不自由を感じることはほとんどなかったと言って良いでしょう。

お客様が「カナダは障がい者の多い国」と思ったのは、明らかに日本より車椅子の人が目に入ったからでしょう。ひとりで車椅子で移動しても不便を感じることがかなり少ないので、ひとりで車椅子で出歩いている人が多いのです。

障がい者が本当に多いのか?

では本当に、カナダでは障がい者が日本より多いのでしょうか?統計を調べてみました。身体的、知的、精神的も含めて障がい者と言われる人の比率は日本では約8%、カナダでは14%でした。この統計だけだと、カナダには障がい者が日本の2倍近くいることになります。

障がい者との共生のイメージイラスト
ネット検索の結果的にはお客様の印象通りでした。しかし、同じ統計ではなかったので本当の比較は難しいと感じます。ちなみにインドの障がい者率は2.5%でした。そんなに差があるでしょうか?

障がい者が多いと感じた理由は?

カナダに障がい者が多いとお客様が感じた大きな要因は、社会的に障がい者が出かけやすい町の造りになっていて、車椅子の人が1人で出かけるハードルが低いからではないででしょうか?

アメリカやクルーズのツアーで車椅子のお客様を案内したと前述しました。その時に日本との違いをヒシヒシと感じました。「日本だったら、ここは無理だったろう」と思うことが沢山あったのです。

私がよく利用する地下鉄半蔵門線の三越前駅の改札口から地上へは階段しかアクセス方法がありません。こちらの方が東京駅に近いので仕方なくキャスターバッグを持って50段以上の階段を上がっています。200~300m離れた反対側の改札にはエレベーターやエスカレーターがあるようですが、そのぶん東京駅からは離れます。駅員さんに聞いても、エレベーターやエスカレーターができる予定はない、と冷たい返事がかえってきます。

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