いよいよ世界遺産へ「佐渡金山」

佐渡金山
今月中には決定!?

今月開かれるイコモス会議において、佐渡金山が世界遺産に登録される可能性が高まっています。現地佐渡としては「悲願」の登録決定となるか?と今から期待で盛り上がっています。

イコモスとは1965年に設立されたユネスコの諮問機関です。International Council on Monuments snd Sitesの頭文字をとった略称がICOMOS=イコモスです。日本語では国際記念物遺跡会議という名称です。私たちに一番身近な活動としては「世界遺産の認定をする」ですね。

佐渡金山とは?

古い文献でも、佐渡で金が産出されることが記録されていましたが、本格的な金山としての開発は徳川の時代に始まります。江戸幕府が直轄地として経営し、大量の金銀を産出し、幕府の重要な財源となりました。
佐渡金山坑道内の様子

江戸後期には一時衰退していた金の産出でしたが、明治時代には官営から宮内庁の管轄となり、西洋の近代技術の導入により再び産出量が増加しました。明治中期には現在の三菱マテリアルに払い下げられ、その後の戦争のための軍需品輸入の決済手段に充てられました。

第二次世界大戦中には朝鮮人の労働者が大量に動員されました。世界遺産登録申請にあっても、「強制労働の被害」であるとの批判がありました。現在の世界遺産申請にあっては、戦国時代~江戸時代の時期に絞った時期の遺構に絞っており、強制労働の時期を除外しての申請になっているとの批判があります。

戦後は鉱山の大幅に縮小され、細々と採掘が続けられていましたが、1989年(平成元年)には休山となり、「史跡佐渡金山」として一般公開されています。

北沢浮遊選鉱場跡
世界遺産へ

多くの問題を含みつつも、今月のイコモス会議にて世界遺産への登録がほぼ確定的という見方がされているようです。

写真の「北沢浮遊選鉱場跡」は明治以降の遺構として、世界遺産認定から除外された部分のひとつです。印象的な景色が広がり、人気の観光スポットのひとつです。夜間にはイルミネーションに照らされ、幻想的な姿を見せてくれます。
北沢浮遊選鉱場跡ライトアップ

世界遺産認定から外されたことは残念ですが、今後も人気のスポットとして多くの観光客が訪れることでしょう。

各地で問題となっているオーバーツーリズムが佐渡ではまだ起こっていません。世界遺産になったら、一時的にブームが起こり、数年は賑わいが続くでしょう。先日ツアー添乗で訪れた際には、いくつか新しいホテルの建設が進んでいる様子もうかがえました。今後の世界遺産の課題としては、いかにその遺産を守るかということと同時に、一過性のブームに終わらせない工夫が必要ということでしょう。

コメント