添乗員になるまで⑤研修~打ち合わせ

研修のイラスト
同期と共に

私が添乗員の派遣会社に所属することにしてから間もなく、研修が始まりました。添乗員という仕事や業務についてや、ふさわしい身だしなみ、法律や規則についてももちろんです。

そしてここで、JRの運賃計算なんてまったくする必要がないことも知りました。あんなに苦労したのに、実務でまったく使わないなんて。。。ショックでした。

座学が一段落すると、駅や空港の見学。実際にどのような動きをするのかというのを学びます。この頃には最初に20名以上いた同期の研修生が15人位になっていました。

研修で私が一番驚いたことは、私が苦労して取得した「一般旅行業務取扱主任者」等の資格がなくても添乗員になれるということでした。当時も今も、「旅程管理主任者」という資格があればよかったのです。私の同期は基礎研修の後、更に「旅程管理研修」を受講し修了証書を得たうえで、「補助添乗員」などの業務をしたり、研修ツアーに参加するという方法で、「旅程管理者」を資格を取得したようです。

添乗員とお客様のイラスト
デビューが決まりました

年末年始にかかったために、一緒に研修を受けていた同期は年明けから更に研修が続いたようです。そんな中、私ともう一人の同期が、お正月にデビューすることになりました。繁忙期で人手不足ということもあり、添乗できる「一般旅行業務取扱主任者」の資格を持っていた2人が駆り出されたのです。

ある旅行会社のツアーに添乗することになり、打ち合わせに行きました。会社の研修担当者も付いてきてくれましたが、忙しい年末の事務所では落ち着いて考えることもできませんでした。

添乗打ち合わせ

書類に囲まれている女性のイラスト
書類と添乗金をもらい、関係機関に電話をしました。お客様にも電話をし、ご挨拶と当日の集合時間の確認などをします。そして「最後に前回日報をコピーする」と、教えていただきました。

前回日報とは、添乗員が書くツアーの報告書です。同じツアーの時間の流れと、場所場所の情報を書き込んだものですから、これを読めばおおよそのことがわかるようになっています。初めての場所に行く場合は、前回日報を見るのを最初にした方が良いということがこの時にわかりました。

「最後にコピー」ではなく、最初にコピーですね。教えている人がベテランだと、新人にとっての感覚と違うものです。まず先に日報を見て全体を把握してから打ち合わせをした方が効率的というのが、この日私が学んだことでした。自分が教える立場になった時も、常にこの時のことを思い出しながら、「わからないこと、不安なことをまず解決」と伝えています。

今はすっかりベテランになりましたが、この日のことは今でも鮮やかに覚えています。

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