添乗員のグチ⑮現在進行形でお願いします

ホテルのご案内

旅館のイラスト
団体ツアーではホテルに到着する前に、案内のプリントを配布してバスの中でできる範囲の説明をしています。ホテルによってはロビーやバスの中でスタッフが館内案内をしてくれます。

その時に私がツアー参加者にお願いしていることがあります。「部屋に入ったら、備品の数が足りているか、不備がないかすぐに確認してください。何かございましたら、すぐにその場でお申し出ください。フロントへの内線は○番です」と。
ところがなぜかお客様は、翌朝になってから添乗員に向かって「○○がひとつしかなかったのよ」「○○が壊れていたの」と言ってきます。

リモコンを操作する男性のイラスト
今までで一番驚いたのは「テレビがつかなかったのよ」というものでした。「壊れていたんですか?ホテルの人は何と言っていましたか?」と聞くと、「仕方がないから、テレビは見なかったの」とのこと。

フロントへの内線番号はホテル案内のプリントにも書いてありますし、部屋の電話からフロントへ連絡すればよいことです。聞いて恥ずかしいことでもないですし、添乗員の携帯電話番号も知らせてありましたが、結局誰にも言わなかったそうです。

なぜ?なぜ?

ため息をつく女性のイラスト
もっと不思議なのは、そこまで誰にも言わずにいたのに、翌朝添乗員に報告してくることです。「お忙しいのに悪いと思って」というのが、たいていの方の言い分ですが、それを言っているのが出発時間だったりするのです。

出発時間ギリギリに報告されたら、添乗員としては大変慌てます。ホテルのフロントで部屋番号を伝え、テレビの状態を確認してもらわないといけません。本当に故障していたのなら何かしらのお詫びもあるでしょう。

この時は、主電源が切られていて、リモコンでオン・オフができなかったようでした。最近の薄型テレビだと、画面の裏側にメインの電源があり、わかりずらいことは確かです。前日に宿泊した人がたまたま電源スイッチを操作したのかもしれません。

困っている女性のイラスト
現在進行形で

その場で言わなかったのなら、別にいいかなと我慢してしまったのなら、もう報告してほしくないというのが正直な気持ちです。その場ですぐに解決してさし上げられたらスッキリするし、お詫びもできます。後から言われると解決のしようがないのです。

最近は「現在進行形でお願いします」という言い方で説明しています。時間は戻りません。我慢しても誰も褒めてくれません。自分が損なだけです。

もう一度お願いします。言わなかったのなら、ずっと言わないでください。アンケートに不満を書くのもやめて下さい。ご自分がアクションしなかったせいなのですから。。。

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