トラベルトラブル⑰スーツケースは黄緑

ロストバゲージ

バゲージクレイムのいたスト
添乗員という仕事柄、何度もロストバゲージ(略してロスバゲ:飛行機に預けた荷物が迷子になって受け取れない状態)の手続きをしましたが、実は初めてのロスバゲはなんと、自分のスーツケースでした。お客様のスーツケースが全部出てきているのに、自分の荷物だけ出てきませんでした。お客様をお待たせしての手続きは恥ずかしく、申し訳ないものでした。

ある海外ツアーで、お客様の荷物のロスバゲが発生しました。航空会社に手続きをするときには本人にも協力いただき、スーツケースのブランド(メーカー名などわかればですが)、ハードタイプかソフトタイプか、色、大きさなどの特徴を申告し、見つかった時の届け先をお知らせして空港を出ました。いただけたのは、歯ブラシとアイマスクが入ったアメニティセットだけでした。

衣類や洗面用具の買い出し

必死で電話をする女性のイラスト
ロスバゲの主が女性だと日常的に必要なものが多く、スーツケースが見つかるまで大変な不自由がありますが、
この時のお客様は30代のひとり参加の男性でした。添乗員としてはひっそりと「女性でなくてよかった」と思ってしまいます。翌日の市内観光時に繁華街で自由時間を作り、下着やシャツ、靴下、洗面用具等を購入していただきました。

航空会社とは、携帯のメールで問い合わせをすることもできましたが、詳しい経緯は電話をしなければなりませんでした。観光中は歩きながら連絡できませんので、昼食レストランで電話を借りての連絡がメインでした。混雑ですぐにつながらないことも多く、問い合わせが長引くと食事も満足にできず、結局お腹が空いたままだったこともありました。

スーツケースの色が!

こんな調子で連絡を取り続け、やっと4泊目のホテルにスーツケースが届きました。スーツケースを見た瞬間の私の心のは叫びました。「黄色じゃなくて黄緑だよね~!」でした。空港でスーツケースの色を聞いた時に、お客様が「黄色」と言ったので、その通りに申告しました。でも、目の前にあるスーツケースはどう見ても「黄緑」です。
黄緑のスーツケース

あれこれ言いたいことをグッとこらえて、「良かったですね~」とご本人に話しかけましたが、「あ、どーも」で終わりでした。恥ずかしかったのかもしれませんがもう少し感謝してほしかったです。私が感じたことは、最初から「黄緑」で申告したら、もっと早く届いたのではないか?ということです。今となってはわかりませんが、どう見ても黄色ではなかったのです。

実はこのような話は珍しいことではなく、失くしたものを探そうとしても、色や形をはっきり言えない方が大変多いのです。それでも見つかった時には「あ、それです!」と喜んでほしいのですが、「えっと、たぶんそれです。。。」と言う方が結構あり、せっかく見つかったのに不安になることがあります。人のことだから色々言えますが、明日は我が身です。気をつけましょう。

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