トラベルトラブル⑬中国の工事通行止め

中国ツアーで 

トラックの隊列
ツアー添乗で中国へ行った時のことです。「少数民族を訪ねる」というツアーでしたので、いわゆる「田舎」にあたる地域を走っていました。ある地点で、突然バスが停止してしまいました。写真ではたくさんの車が並んでいますが、実際は細い山道でした。

私たちのバスの前には工事なのか、2m位の砂山が積まれてあり、その周りに20人位の工事担当の人がいました。日本と違い、ヘルメットはかぶっておらず、服装も私服の背広のような人もいてバラバラでした。

誰も工事をしていない

スコップで土を掘る人
私たちのバスは大型ではなく、マイクロバスでしたが、砂山の横をすり抜けることは難しそうでした。通行止めの表示も出ていましたので、少し停まって様子を見ていました。

私たちが一番戸惑ったのは、この時点で誰も作業をしていないことでした。バスが来て、通れないことはそこにいる誰もが気がつくことでしたが、解決しようという様子は全くありませんでした。されど休憩時間でもなさそうでした。

10分経っても誰も私たちのバスを通そうとしてくれる気配がありません。このままいつ通れるかわからないのを待っていると、日が暮れてしまいます。するとツアーに参加の男性のお客様がしびれを切らしてバスから降りて、作業員のスコップを奪って砂をかき寄せ始めました。「こうやってやるんだよ!」と作業員たちに怒鳴っています。

最終手段で

裏金を渡す様子
私は困ってしまい、中国人のガイド氏に「どうにかなりませんか?」と聞いてみました。ガイド氏はバスから降りて、工事責任者らしき人と話し始めました。様子を見ていると、こっそり何か渡したことがわかりました。

良いことではないと解ってはいました。お客様も何をしたのか理解したようでした。効果はあっという間に表れました。

責任者が急に大きな声で、何かを指示し始めたのです。ただぼんやりとそこにいた人たちが、信じられないくらいキビキビと動き出したのです。5分後にはバスが通れるだけのスペースはできましたので、私たちも無事に移動することができました。

お客様は「呆れちゃうな~。やればできるじゃないか!」と笑っています。やる気はガイド氏が起こさせたのでしょう。後からいくら払ったのか聞いてみたところ、日本円で2000円位だったそうです。もしかして、お金目当ての罠だったのでしょうか?

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