イタリアの片田舎で
イタリア人の友人の実家に遊びに行ったことがあります。その小さな町の名は、日本のガイドブックで探しても載っておらず、詳しい道路地図でやっと見つけることができました。北イタリアの本当に小さな町でした。改めて調べると、人口3000人の村でした。
友人の家から出て散歩すると、村の人たちが珍しそうに私を見物に来ました。こっそり窓から私を覗いている人もいました。今では日本にも外国人がたくさん来るようになりましたが、10年前くらい前には、観光地でもない地方の小さな街で外国人が歩いていたら、皆さんビックリしたのではないでしょうか?まさか自分がその珍しがられる対象になる日が来るなんて、初めての体験でした。
親戚が皆さん集まりました
週末には、庭でランチパーティが開かれました。お客様が次々にやって来ます。ほとんどが親戚の人で、「珍しい日本人」を見に来たようです。中学生くらいの女の子は、「本当の日本人を初めて見た」と言って、なぜか感激していました。
それにしても、皆さんよく食べ、よく笑います。この家でも、ご多分に漏れず昼食が1日の食事のメインでした。朝はミルクたっぷりのコーヒーにビスケット。昼食は「これでもか」というくらい出てきます。夕食は本当に軽いものを食べるだけでしたので、ペース配分に慣れない私は、就寝する時間にお腹が空いてしまって苦労しました。
情けない日本人
道場に入ると、道着を着て勢ぞろいした人たちが30人位いました。全員の私を見る目が期待に満ちています。この道場に来た「初めての日本人」だというのです。困りました。
私は空手をしたことがありませんでしたし、格闘技全般が好きではないのです。スポーツでも、いわゆるコンタクトスポーツが苦手です。体育の授業でバスケットボールをした時も、ドリブル中に相手チームの人がボールを取りに来ると、ボールを離して逃げてしまったくらいです。ネットを挟むバレーボールやバドミントンは大丈夫でした。
それなのに、なぜか空手道場に連れて行かれてしまったのでした。道場の人たちの期待を一身に受けた私は、「日本人ですが空手はできません。ごめんなさい」というのがやっとでした。
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