トラベルトラブル⑭列車が止まった

列車が急に止まった

カナダの列車
カナダでのツアーで都市から都市へ列車で移動していた時のことです。途中の予定外の小さな駅で停止したまま、なかなか動き出しませんでした。しばらくすると車内アナウンスで、「前に走っている列車が故障し、線路を塞いでいるのでこの先いつ発車できるかわからない」ということでした。

このため、終点のトロントまではバスで移動できるように手配したので、バスが来たら列車から降りて下さいということでした。お客様にもその内容をお知らせし、バスが来る時間の目安も確認しておきました。トロントまではバスで1時間ほどの所要時間ということでした。

列車の荷物置き場
大きな問題がありました

当時、カナダのメープル街道ツアーで人気のコースは軒並み40人以上のツアーとなっていました。この時のツアーもお客様が44人という、今までで一番多い人数のツアーでした。バスに乗り換えるのは良いのですが、列車に積んだ沢山のスーツケースを列車からバスに乗せ換えなければなりません。

予定していたトロント駅では、スーツケースを下ろして駅前のホテルまで運んでもらうポーターを予約してありました。しかしこの時は途中の小さな、ポーターどころか、駅員さんもいないような駅でした。私の分も入れると、その時のスーツケースは38個でした。

日本の鉄道と違って、駅と言ってもプラットホームの高さが列車に合わせていないので、地面から列車への高さが1m位の差があるのです。

スーツケースを下ろすために

38個のスーツケースをどうするのか?お客様の大多数は年配者でした。私が考えたのは、列車の上から私がスーツケースを出し、下で数人のお客様に受け取っていただくというものでした。お客様の中から比較的若い男性(それでも50~60歳代)を指名し、腰や体力に問題がないか確認をしました。
皆が笑顔のイラスト

他のお客様には、私や作業をしている人たちのバッグを管理していただき、見守るだけにしていただきました。

約10分ほどかけて、すべてのスーツケースを下ろすことができました。見守っていた方たちから温かい拍手が自然に起こりました。私も手伝ってくれた方たちも、気持ち良い汗をかきました。

スーツケースを下ろし終わった頃にはバスも到着し、バスのトランクへは運転手さんが乗せてくれました。一般の乗客は相乗りだったようですが、私たちは44人という大所帯だったのと、駅前のホテルだったこともあり、直接ホテルまで連れて行ってもらうことができました。予定より大幅に遅れての到着になりましたが、皆さん「何だか楽しかった~」と、しばらく興奮状態でした。
大変だったけれど、楽しかったツアーとして忘れられない思い出です。

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