私が気になったこと~女性議員パリ研修

自民党の女性議員たちの「パリ研修」が炎上し、問題になっていますね。研修とは名ばかりの「物見遊山」という評価もありますが、私が気になったことは他のことです。そのいくつかを挙げてみました。

ニースの海岸
なぜ7月に行くの?

フランスに7月下旬に行くって、迷惑ですよね。日本の議員さんたちにとっては「夏休みの期間を利用して」ということになるのでしょう。しかしなぜ、7月下旬という出発日なのでしょう?

ご存じの通り、フランス人=バカンスというような国民性です。夏の時期に4~6週間の休暇をとる人が多いのです。特に学校は9月から新学期ですから、子供のいる人は7月下旬からバカンスに行く人が多いのではないでしょうか?日本から「議員さん団体」が来るからと、大使館に頼まれてバカンス予定を変更せざるを得なかった人たちが何人もいたのではないでしょうか?日本大使館員だって、フランスの役所や議会が休みの時に休暇を取りたかったはずです。

保育園の視察にも行ったとのことですが、ここに預けられている子供たちの親や、保育士さんたちだってバカンスをとりたかったかもしれません。日本の夏休みに視察に行きたいなら、季節が逆のオセアニア方面など、別の方面にした方が良かったのでは?

観光バスでのショット
豪華な観光バス

私がツアー添乗でパリに行った時、ビックリするくらい豪華な観光バスが来たことがあります。座席間隔がゆったりしており、肌触りの良い高級そうな革張りのシートでした。

現地ガイドさんに「今までで一番良いバスです」と言ったら、「先日、日本から議員さんたちが来たので、新しくおろしたバスです。遊ばせておいても無駄ですから、使い始めたらしいです。ラッキーですね」と言われました。

今回の視察で使用されたバスが、どこまで高級なものかは画像だけでは不明ですが、今回のニュースで初めてこの映像を「パッと見た時」の印象で、私は「さすが、いいバスに乗っている」と感じました。たかがバス、されどバスです。私は、10日間で約100万円の高額ツアーなのに、シートが破れて中のスポンジがはみ出しているバスが来てしまったことがあります。もちろん大クレームでした。

お世話をする大使館関係、観光を補佐する人々も、「万が一にも、不備や不満があってはいけない」という考えのもとに動いているのです。自分たちのために高級なピカピカのバスが用意されていることに気がついている議員さんが何人いたでしょうか?

フライトは?

JALのビジネスクラス席
公表されてしまった日程表に、フライト時の座席クラスが書いてありませんでした。しかし、国会議員が搭乗してくるとあれば、予約がエコノミークラスでも、JAL側としては、そのフライトの席を出来る限り確保してアップグレードをしてくるのではないでしょうか?

以前、LAからの帰りに、ファーストクラス、ビジネスクラスの席が、制服を着た自衛隊の人たちの団体で埋められていたことがありました。私のツアーのお客様は、「税金でけしからん」と怒っていましたが、公務での移動ですから、幹部クラスは当然ビジネスクラスだったことでしょう。何席かは航空会社が「忖度」してアップグレードしたのかもしれません。数人の若い隊員たちはエコノミーにも座っていました。

元人気タレントを含む与党の議員団体を、たとえ予約がのエコノミー席だったとしても、そのまま座らせたとは思えないのです。普段から特別扱いを受けることに慣れてしまった議員さんたちには、「こちらの席へどうぞ」は予定調和かもしれません。自己負担が30万円とのことですが、もしビジネスクラスで予約をしていたのなら、党費だけでひとり100万円以上の経費を使ったことになります。

公務ならしっかりと公費を使ってすれば良いのです。「研修」「自己負担」という中途半端な名目が、SNSに有名観光地の写真を投稿するという「ゆるみ」になり、「楽しそう」と批判されることになったのではないでしょうか。

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