私の添乗ノート・カナダ③すごい引っ越し

私の引越し

大きな荷物のイラスト
人生で、一度も引越しをしたことがないという人は、現代ではかなりの少数派になりますよね。

私は、1年間だけカナダに住んだ経験があります。しかし、それは引越しという表現はあまり正しくありません。永住覚悟の引越しや、生活の拠点を完全に移すという引っ越しではなかったからです。スーツケースにとりあえず必要なものをめいっぱい詰め込み、後から必要になりそうなものは段ボール箱2つに詰めて別便で送っただけでした。

カナダは家具、電化製品付きのアパートがほとんどですから、その日からほとんど不自由を感じることなく生活できます。

小学生時代と、高校時代に実家の引越しはありましたが、子供でしたから、自分の持ち物だけを箱に詰めれば良かったので、大変だったという記憶が全くありません。

現在のひとり暮らしのアパートに移る時が本格的な引っ越しだったかもしれません。しかし、大きな家具や電気製品は新しく購入し、業者の方に配送していただき、身の回りの物は実家の自家用車で運ぶことで済ませましたので、大した苦労はありませんでした。

家1軒分、家族の引越しは大変だろうと、大人になった今だから想像しています。

カナダで見た引越し

ある時、カナダで引越しの概念をくつがえされる風景に出会いました。誰が見てもわかる引越しでした。引越しの荷物を積んだトラックを見たことはもちろんあるのですが、何と引越ししている「家」を見たことがあるのです。

郊外の幹線道路を「徐行」の速度でゆっくりと移動する家を初めて見た時は本当にビックリしました。

もちろん家具や電化製品などは別便で運んでいるのでしょうが、家自体が道路を走っている風景は日本では出会えないものでしょう。

日本ではまず、北海道の牧草地帯などでない限り、建物や電柱、何よりも道路幅が十分でないので無理でしょう。各地域ごとに通行許可申請も必要と思われますが、まず許可が下りないでしょう。

また、年数の経った一般住宅だと、日本では建物自体に価値がほとんどなくなります。わざわざ、大金をかけてこの引越しをする費用で、新しく家が建ってしまうでしょう。

日本では文化財の修復などで、一時的に数十メートル移動させる「曳家」という方法があります。現在石垣を修復中の弘前城では、天守を2か月かけて70m移動させました。現代では記録としてYou-tube等で色々な曳家の実際の動画を見ることができますので、興味のある方は検索してみて下さい。

「家」の引越しはもちろんカナダだけでなく、アメリカやオーストラリア、ニュージーランド等でも見かけたことがあるという人がいます。どこかに旅行に行った時には、現地の引越し風景というのもお土産話になるかもしれませんね。

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