世界のドライバー⑦あなたが遅れたせいです

カナダの紅葉ツアー

カナダの紅葉の写真
コロナ前は、秋になると毎年のようにカナダの紅葉ツアーに行っていました。一番多い時は44人を一人で担当したこともあります。

カナダに住んでいた私としては、紅葉だけでなく、7月ごろのカナディアンロッキーを見に行ってほしいという思いがあります。東部カナダが紅葉できれいな時は、すでにカナディアンロッキーは真冬の寒さで、雪で道路が通行止めになり、観光が楽しめない場合もあるからです。

紅葉ツアーの時期は観光バスが不足し、スクールバスが来たり、ボロボロのシートが破れたバス来ることもあったとか。私の場合、ラッピングバスが来て、バスの中から外の景色が見えないという最悪の事件を経験しています。

ラッピングバス
バスだけでなく、ドライバーも不足するため、アメリカから出張してきた人がいたり、普段はトラックを運転している人が借り出されてきているという噂までありました。

道を知らないなんて当たり前、時間にルーズなドライバーもいました。私が出会ってしまった、情けないドライバーをご紹介します。

謎の走行

そのドライバーは、空港から15分程のホテルへの移動だけという初日にまず遅刻してきました。翌日も心配だったので、出発時間を5~6回繰り返し伝えました。行程表も持っているはずですが、空港にさえ遅れてきたので心配でした。

翌日、不安は的中しました。時間になってもバスが来ません。電話すると「これから行くよ」とのん気な返事。2日連続の遅刻に、お客様もうんざりしています。結局30分遅れでホテルを出発することになりました。

ドライバーのイラスト
午前中はトイレ休憩をしながら、長めの移動でした。あるタイミングで突然、ドライバーがハイウェイをおりて、街中の道を走り始めました。「どうしたの?」と聞きましたが、キョロキョロ周りを見回すだけで返事がありません。

すると、ガソリンスタンドに入り、スタッフに何やら話しかけています。再度、何をしているのかと聞いたところ、ビックリするような答えが返ってきました。

「レストランがこの辺りだから、聞いてみた」とのこと。私は「レストランはあと30Km先でしょ」と返事。実際、まだ2つ、3つ手前の町だったのです。「どうしてここだと思うの?」と聞いてみたところ、怒りが爆発しそうな答えが返ってきました。

遅刻してきたのは誰?

「だって、行程表ではランチの時間だよ」
私は、爆発しそうな怒りをかろうじて深呼吸で整えて言いました。「ランチのレストランまであと30Km位あるの。あなたが遅れてきたから、予定通りに着かないんでしょ?○○っていう町だから、ハイウェイに戻って!!!」

ここまで書いていても、その時の怒りがこみ上げてきます。あ~、疲れた。

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