ポスターを見なければ
ある時近所を歩いていたら、坂東玉三郎様の公演のポスターを見かけました。歌舞伎を上演する劇場や、熱海座などの舞踊公演(添乗の仕事で)へはその都度出かけますが、近所の市民ホールに来ていただけるなんて夢にも思っていませんでした。
この時点で、すでにチケット販売は始まっていました。慌てて劇場に行き、チケットをゲットしました。S席、7500円。
あの時、ポスターに気付かなければ、まったくこの公演のことを知ることがなかったでしょう。ラッキーでした。
いよいよ始まりました
18:30の開演に合わせて、家を出たのは18:15でした。徒歩5分で着くので、それで充分でした。会場に到着すると、歌舞伎座とは違う熱気を帯びているように感じました。
この公演は~お話と素踊り~のと名打たれている通り、最初の1時間は玉三郎様のトークと、質問コーナーでした。主に、女形ならではの話や、美や健康を保つ方法などなど。普段から心がけているのは、美しい姿勢を保ち、ストレッチなどで体の柔軟性を保つことだそうです。
この間、特に私が感じたのは、玉三郎様のマイクを持つ指の美しさでした。普段の歌舞伎公演では、マイクを持つことはありませんので、初めてじっくり見たような気がします。
グーで握るのではなく、指をそろえてマイクを支えていました。なんて美しいのだろうと見惚れてしまいました。
質問コーナーでは前もって、販売元(Tempo Primo)のHPに寄せられた質問に答えていたようです。会場にも質問用紙があったのかもしれませんが、気がつきませんでした。まあ、その場での質疑応答はできないですね。(特に、猿之助さんはじめ、業界はいろいろあり過ぎますから)
舞踊は素踊り「雪」
コロナ禍で歌舞伎座が3部制だった時がありました。その時に玉三郎様がやっていた、舞台装置の紹介と踊りの公演や、毎年恒例の熱海座での舞踊公演では、女形の衣装を着けての舞踊です。今回はシンプルな白い着物に男帯でした。女形の役者の素踊りは大変珍しいものだそうです。
「雪」にふさわしい静寂そのものの舞台でした。それだけに観客の視線は玉三郎様の動きひとつひとつに集中します。
ひときわ印象に残ったのは、踊り終わった後の玉三郎様のお辞儀の美しさでした。手の指も、背筋も美しく伸び、再度私たちを魅了してくれました。
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