世界のドライバー②プロポーズ

半日のオプショナルツアーで

外国のバスとドライバーのイラスト
ある国で、午前中の観光の後はフリータイムという行程の時がありました。希望の方には、バスで1時間ほど走った町へのオプション観光が設定されていました。

迎えに来てくれたバスの運転手さんは、明るく親しみやすい雰囲気でした。日本人の観光客に慣れている様子もあり、添乗員としては大変ありがたいものでした。

バスで道中、色々な話題を案内をする中で、現地の情報はもちろんですが、自分なりに調べてきた話題も話しながら進みました。オプションですから税員が乗っているわけではないので、翌日話す話題は避けなければなりません。
ベルンの街並み
このため、特に現地にゆかりの音楽家、作曲家にまつわるエピソードという「小ネタ」を話していたところ、ドライバーが振り向いて笑顔を見せてきました。日本語での話でも、音楽家の固有名詞で、私が何の話題を話しているのか解ったのか、大変嬉しそうでした。

街中での2時間ほどの観光を終えてバスに戻った時に、「あんな話をした添乗員は初めてだよ。」と嬉しそうに話しかけてきました。

「好きな作曲家の話なので、ぜひ紹介したかったの」と答えました。ドライバーはますます嬉しそうでした。帰りのバスの中では、お客様も休憩時間です。そんな中、あまりにもドライバーが話しかけてくるので、色々と話をしながら時間を過ごしました。

出会って4時間後に

プロポーズする人のイラスト
ホテルに到着し、お客様がバスから降りる時も、ドライバーは一人一人に「アリガトウ」と日本語で挨拶をしてくれました。優しそうな人柄のドライバーはお客様にも好評でした。

お客様が全員バスを降りると、「この後、時間ある?」と聞かれました。「何?」「もっと話したい」「でも、夕食のレストランの確認に行かないと。。。」「じゃ、今言うね。飛行機代は僕が送りますから、また来てください。結婚して下さい。
「え~~~」絶句でした。

オプショナルツアーの開始が13時。今は17時。出会って4時間後の超スピード求婚でした。さすがに「ドン引き」してしまった私は、「まだ会ったばかりだし。じゃ、連絡先を」と、携帯電話番号をもらうことで、とりあえず話を終えることに成功しました。

何とかクールダウンしてもらい、帰って行ったドライバーでしたが、翌朝、私たちのホテルにまたやって来ました。この日は他のドライバーのバスに乗る行程でしたが、見送りに来てくれていたのでした。「あら、昨日のドライバーさんが会いに来てくれましたね」と言いながら、ひやひやしている私でした。

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