世界のドライバー③今日は余計に回っています

世界遺産ですけど~

ポン・デュ・ガール
日本の観光バスの運転手さんが、世界遺産への道を間違えるなんて想像できませんよね?ナビだってついているし。ところがフランスでは、私は何度も世界遺産への道を間違える運転手さんに遭遇しています。

ある時、ホテルを出てポン・デュ・ガールというローマ時代の水道橋に向かっていました。ある曲がり角で、「え、右じゃないの?」と思ったところをドライバーが左に曲がりました。「私の記憶違いかな」と一度は思いましたが、通常なら30分位で着くはずなのに、なかなか到着する気配がありません。「大丈夫?そろそろ着く?」と聞いたら、「この辺りだと思うけど、初めてだからわからない」と言い出しました。

結局、元に戻って、私が「右かな」と思っていたところに戻り、ようやく到着しました。本来の倍の時間かかかってしまっていました。戻ったので、お客様にもドライバーが道を間違えたことがバレてしまいました。何とか気を取り直して、観光していただきましたが、不安が残りました。

この日、ランチレストランでドライバーが放った一言に私はビックリしてしまいました。「ランチタイムが遅いから、お腹が空いちゃったよ」。言い方に私が責められているようなニュアンスがありました。「えっ、あなたのせいでしょ?」と、言いそうになりましたが、機嫌よく運転してもらわないといけないので、じっと堪えて何も言わずにやり過ごしました。

ロータリーの写真
ロータリーを3周半

シャンボール城に向かっていた時のことです。ポン・デュ・ガールよりも頻繁に行く世界遺産ですね。かなり年配のドライバーさんでしたから、安心していましたが間違いでした。

ヨーロッパの田舎道では、交差点に信号を設けるよりも、ロータリーにして、お互いに譲り合いながら目的地に向かうという場所が多いのです。そのロータリーに入ったドライバーが、その先の行先に迷ったようで、1周してしまいました。「ムム、迷っているの?」と判りましたが、中途半端にドライバーに口を出さない方が良いですよね。

更にもう1周、ついでにもう1周。その後やっと行先を確認できたようでした。トータル3周半回って、やっとロータリーから抜け出しました。私は仕方がないので「今日は余計に回っていま~す」と、お客様に向かって言いました。お客様も気を遣ってか、笑ってくれましたが、冷や汗ものでした。
シャンボール城

どこかで抜かされました

やっと到着したシャンボール城で、前の観光地を私たちより後に出た同僚のバスがすでに到着していることに気付きました。

どこで抜かされたのか?どこかで道を間違えていたのか?摩訶不思議な出来事でした。

添乗員同士の話題で、「道を知らない性格の良いドライバーと、道は知っているけれど性格の悪いドライバーのどっちがいい?」という「議題」になったことがあります(笑)
皆さん「性格も良く、道も知っている」人がほとんどなのです。今回は私の「ハズレ」体験のご紹介でした。

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