世界のドライバー⑩ドライバーの別の顔

ドライバーのもう一つの仕事

ストックホルムの町
今日は海外ツアーで大変印象的だったことをご紹介します。北欧ツアーでスウェ―デンに行った時のことです。

ストックホルムの観光を終えて、夕方ホテルに送ってもらう時、「明日、空港に送って行ってくれますよね?」と聞いたら、「この後も仕事があるから、別のドライバーが来ることになっている」との返事がありました。

夕方からまた別のお客様を運ぶなんて大変ですね、と勝手にカン違いしました。
ドライバーは私たちをホテルに送った後、ドライバーの仕事ではなく、もう一つの仕事に行くと言いました。

占拠で当選し万歳する議員聞けば、ドライバーはストックホルム近くの別の市の市議会議員だというのです。でも、これから?すでに夕方です。
議会は月に2回ほど夜に開かれることが多く、ほとんどの議員が本職を持っているというのです。手当も、日本の「議員センセイ」とは比べ物にならないほどのようでした。「お手当」程度の感覚です。

国の規模、成り立ち、政治体制が違うと言えばそれまでですが、何という違いでしょうか?
日本の議員さんたちは、選挙で昨日まで頭を下げていたのに、当選したとたん「センセイ」になります。タレント議員センセイたちは「これから勉強します」となどと言って、国会なら総額数千万円の議員報酬をもらうのです。

地方議会の議員さんたちも、羨ましいくらいのお手当をもらい、それで生活をしている人がほとんどですね。よほどオイシイ仕事なのか?その地位をそのまま息子に継がせる人が多いです。

視察という名の海外旅行?

ストックホルム市議会議事堂
ある時、現地のバスのシートが革張りで豪華な新車だったことがありました。現地のガイドさんが言うには、昨日、日本の議員さんたちが視察に来たのでおろした新車が、たまたま私のツアーに回ってきたそうです。

議員さんたちは、私たちと大きく違わないコースを回りましたが、小学校の視察が1ヶ所入っていたそうです。ガイドさんの印象では、授業を20分くらい観ただけで視察は終わり、学校の先生から話を聞いたりすることもなかったそうで、形だけ視察したという印象だったようです。

どうせ見に行くなら、夜の市議会を視察に行ったらよかったのではないでしょうか?自分たちがいかに恵まれた環境で政治活動(していればの話ですが)をしていることがよく分かり、よほど勉強になるのではないでしょうか?

コメント