添乗員のグチ②駅での不愉快な一言

邪魔かもしれませんが

エスカレーターを急ぐ人
先日、ツアーの皆様と新幹線乗るために改札を入り、ホームへのエスカレーターを使っていました。

すると、近くにいたサラリーマン風の30代くらいの男性が、私の横を「団体は階段を使え!」と捨てゼリフを言いながら通り過ぎていきました。

急いでいるのに、年配者の団体が邪魔だったのでしょう。でも、ルールとしては、急いでいる人は横にある階段を使うべきですよね。

自分の親よりも年上の人たちが、荷物を持って移動しているのがそんなに邪魔でしょうか?急いでいるなら、走れるなら階段を走って行って下さい。

あなたより貢献してます

これは今回だけの話ではなく、ツアーにあまり行ったことがない人によくある傾向です。
何かというと「ツアーを下に見ている」ということです。「邪魔だよ」「どけ」と言われたこともあります。その人も出張か何かで新幹線に乗ったのかもしれませんが、私たちも新幹線に乗ったのは同じです。無料で乗っている訳ではありません。
グランクラスの席

特に10月から始まった全国旅行割で多くのツアーが催行され、各旅行会社の団体客で駅は大混雑しています。駅でツアーの受付をしていても、歩いていても一般客からの冷たい視線によく会います。中には舌打ちをしてくる人までいます。

そういう人に言いたいのは、「ツアー客はあなたよりJRに貢献しています」ということです。全部の旅行会社が乗車する人数は億単位になるはずですし、JRにとって多きな収益の要素だと思います。
私は高額ツアーに添乗することが多いのですが、この時もグランクラスの利用でした。また、私が1年間のうち添乗で新幹線に乗る回数の90%はグリーン車です。

私も最初の頃は驚きましたが、舌打ちをしたサラリーマンの月給の1か月分を2泊3日の旅行で平気で使う旅行客は確実にいるのです。私が担当した国内ツアーで今までで一番高かったのは、3泊4日で一人95万円でした。夫婦で200万を3泊4日の国内旅行で平気で使うのです。もっと高いツアーもあります。

舌打ちした人はそういうことを知らず、「ツアー=格安団体」という想像力しかないので、仕事に行く自分の方が価値があるとカン違いしているのではないでしょうか?

邪魔にならないよう頑張っています

高いツアーだから偉いと言っているのではありません。安いツアーでも、サラリーマンの出張でも、上でも下でもなく、同じだと言っているのです。
高級ホテルの部屋
同じでないのは、荷物を持って階段を使うことの危険度の高さということです。

お客様の安全のためが一番の目的ですが、私は他のお客様の邪魔にならないよう、トラブルにならないよう、常にお客様の誘導には気をつけています。

年配者が多いうえに旅行の荷物を持っているのです。もしその人が自分の祖父母であってもその人は「団体は階段を使え」と言えるのでしょうか?エスカレーターを使うのは年配者だから、荷物があるからです。自分一人なら、学生団体の添乗なら、迷わず階段を使うでしょう。

繰り返します。急いでいるなら、どうぞ好きなだけ階段を駆け上がって下さい。エスカレーターのツアー客が、2泊3日で自分の1ヵ月の給料を使い切るかもしれないと想像しながら。。。自分よりよほどJRにとって上客かもしれないと想像しながら。。。

そんな想像力もなく、優しさもない人間に、いちいち逆らってトラブルにならないよう「あ、スミマセン」と口先だけは言ってスルーしています。
でも、心の中で「そっちが階段で行け!」舌打ちをしているのは本当は私の方なのです。

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