ツアーの最後に
皆様も経験があるのではないでしょうか?
私たち添乗員にとっては毎回、少々ストレスを感じるものです。
不思議なことに、何もトラブルやお世話がなかった方全員が、大変良い評価をしていただくのに、あれこれお世話した方だけが評価が悪いことがあります。
一番お世話したお客様なのに
今は禁止されていますが、以前は、胃薬や酔い止め、風邪薬程度ならさし上げていた時期がありました。
あるお客様が毎日のように具合が悪い、○○が痛いと、薬を要求してきました。旅行会社のものではなく、私個人の所有の薬だと言っても気にしてくれません。
このお客様のアンケートは、添乗員の項目が「やや不満」でした。他の参加者は特別なことはして差し上げていないのに「満足」です。「やや不満」をいただいてしまうと、会社でどうしてなのか?何かあったのか?と聞かれてしまいます。返事に困りました。
買い取ってほしいと言ったことが不満だったのでしょうか?多少気に入らなくても、あれだけお世話になって「やや不満」にチェックを入れる気持ちが私には理解できませんでした。
ほめちぎってあるのに
あるアンケートでは、私をほめちぎっていました。「声が良く通り、わかりやすい話し方で説明も上手。気配り、目配りが効いていてユーモアもあり、楽しく安心して旅行ができた。またぜひ一緒に○○添乗員さんと旅行がしたい。」
こんなほめちぎったアンケートもなかなかないものです。大変嬉しかったのですが、改めて見てみると添乗員の項目でチェックが入っていたのは「普通」でした。何か間違えたのでしょうか?あれだけほめて、また一緒に行きたい添乗員が「普通」とは、どう理解したらよいのでしょうか?
いい加減じゃない人々
彼らの印象では、日本人のお客様はフレンドリーでクルーズをとっても楽しんでいるように見えるから、満足していると思っているのです。ところがアンケートを国別に集計すると、日本人のアンケートがダントツで評価が低いというのです。
日本語で書いてあるコメントを彼らは読めないので、私に見せて、何が不満なのか確認したかったのです。そこの書かれてあったのは、楽しかった、クルーズ最高、スタッフがよくやっていたなど、悪いことはほとんど書かれていませんでした。
でも私にはわかります。他の国の方は特に大きな問題や不満がなければ一律で「Excllent」にチェックをするのですが、日本人は違うのです。
「満足・やや満足・普通・やや不満・不満」の5項目があれば、真面目に一生懸命考えるのです。他の国の人が適当に「満足」にチェックを入れるのと対照的に、日本人は「やや満足」や「普通」になってしまうのです。その結果、全体的に評価が他の国の乗客より辛口になってしまうのです。
船のスタッフには、日本人の真面目さがこういう結果を生んでいると説明しました。
私が船に乗った時は、「不思議なアンケートに、スタッフが大変悩んでいる」と伝え、問題があれば私に直接話していただき、よほどの不満がなければ、アンケートは「大変良かった」と書いてあげて下さいとお願いしています。
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