私の失敗④血染めのシャツ

深夜の地下鉄で

白シャツのイラスト
数年前の深夜12時頃のことでした。添乗後、都内の地下鉄に乗っていると、ビックリする光景が目の前に。

20代前半の年齢とおぼしき白いシャツの男性が車両に乗ってきました。シャツにはたくさんの血がにじみ、顔にも傷を負って血の跡があったのです。
右のイラストのように、いたってフツーのシャツにたくさん血が付いていたのです。

見て見ぬふり

私はとにかく驚きました。その男性の格好はもちろんですが、周りの人が一瞥しただけで無関心だったからなのです。

「えっ何?なぜみんな知らん顔なの?」
よく見ると男性は、少しふらついている様子でした。
思い切って数メートル離れているその男性のもとに行き、
「大丈夫ですか?次で下りて、駅員さんのところに行きましょう」と、声をかけました。

するとその男性は私に対してすごくビックリした様子で、「大丈夫っす。気にしないで」と返事。同時に少々お酒の匂いが。。。
他の乗客もその男性の姿より、私の行動に驚いている様子なのが何となく伝わってきました。

知らなかっただけ

そうです。その日は10月31日だったのです。ニュースで渋谷のハロウィンが取り上げられ始めた頃だったようですが、私は添乗中のためテレビのニュースを見ていなかったのです。

しかも、私のハロウィンのイメージはカナダやアメリカで見る、子供が仮装しているという印象のみだったのです。いつのまに大人が仮装して、大勢で騒ぐ日になったのでしょう?

知らなかったので、私はハロウィンとその男性の血染めのシャツの関連に気付くことができなかったのです。もっと渋谷近くの地下鉄なら良かったのかもしれません。皆がフツーの格好の中に突然血染めのシャツは、あまりにもショッキングでした。

その男性には居心地の悪い思いをさせてしまいましたが、着替えるなり上着で隠すなりした方が良かったのではないでしょうか?そうすれば、世間知らずな女の人(私)に声をかけられずに済んだのです。

私が、本当に彼の服装の意味が解ったのは、家に帰ってニュース番組を視てからでした。
ハロウィンのニュースを見るたびに、あの日の自分の行動が可笑しくて恥ずかしくて。。。

本来は楽しいはずのイベントですが、ソウルでは大きな事件が起こってしまい大変残念です。犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。

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