パスポートを失くした人々①じゅうたんと同じ色

ツアーの最後に 

入国審査のイラスト
海外ツアーが終わり、日本到着してからの通常の流れは次のようなものです。

飛行機を降りた方から
①各自入国審査へ
②ターンテーブルで荷物を引き取り、荷物に問題がないか確認
③荷物に問題がなければ各自税関を通る
④流れ解散
です。
添乗員は入国後ターンテーブルで待機し、お客様が受け取った荷物に破損などのトラブルがないか確認し、問題があれば航空会社での手続きのお手伝いをします。

その日も、入国審査が済んだお客様をターンテーブルでお迎えし、引き取った荷物に問題がないか確認していました。同じ飛行機で下りてきた荷物がだいぶ少なくなり、自分のツアーの方が全員帰ったことを確認するために、流れているスーツケースを見てみると、私のお客様のスーツケースがひとつ、まだターンテーブルの上で流れていました。

心配になりました

パスポート
そのスーツケースは一人参加の女性のお客様のものでした。まさか、忘れて帰ってしまったのか?と心配になり、早速携帯電話に連絡を入れみました。

「○○様ですか?今どちらですか?」すると、まだ入国審査前だというのです。だいぶ時間がたっているのにどうしたのか尋ねると、パスポートがないというのです。

現地空港で搭乗時にパスポートチェックがあるので、海外に置いてきたとか、落としたとは考えられませんでした。飛行機の中に忘れてきたのでしょうか?と思いましたが、飛行機を降りた時にはパスポートを持っていたとご本人は言うのです。
すでに入国審査会場にいる係には相談して、探してもらっているとのことでした。私は、入国できるまでスーツケースを預かって待っているので安心して下さいと伝えました。

しばらくすると、お客様から電話がかかり、パスポートが見つかったと報告がありました。

入国して無事再会したお客様に、事情を確認したところ、入国審査の手前で持っていたパスポートを落としていたとのことでした。

そんなことが!

パスポートを落とした場所が悪かったようでした。何と、入国審査会場の床に絨毯が敷いてあるのですが、多くの人が列に並んでいたので、落とした時に音に気付かなかったそうです。

更に、もうひとつの報告にビックリしました。何とパスポートと絨毯の色がそっくりだったため、保護色のようになり、すぐに気付くことができなかったというのです。パスポートの表は金色の菊の紋章や字がありますが、裏表紙は無地のため、すっかり同化して見えなかったそうです。

パスポートが見つかってホッとしましたが、こんなことがあるのかと気付かされた事件でした。

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