ミステリーツアーってご存知ですか?
パンフレットには、「滝で有名な○○、そぞろ歩きできる○○温泉泊」などとヒントになるようなことは書いてありますが、参加するお客様は、自分がどこに行くのか判らないというツアーです。
飛行機を使う場合は、空港で搭乗券をもらえば、どの方面に行くのかはわかります。
新幹線を利用するツアーでも、新幹線に乗れば、どの方面に行くのかはわかります。
出発地からバスで行くツアーだと、走り始めてみないとどの方面かわかりませんね。
それが、ツアーの楽しみであり醍醐味なのですが。。。
ツアー探偵したがる人
私にとって初めてのミステリーツアー添乗の時でした。バスが高速道路を走り始めたとたん、年配の男性客が大きな声で言いました。
「おい、添乗員!今日は○○に行って、○○で昼食べて、○○店に行って、○○旅館に行くんだろ!」と。
大正解でした。その方はミステリーツアーマニアで、かなり頻繁にご参加いただいており、前にも同じコースに行ったことがあったようでした。私は「さあ、どうでしょうね~?」とごまかしてみましたが、「俺は知っているんだよ!正解だろ?」と、得意気です。
皆様の前で大声で言われてしまったので、対応に困りましたが、勝手に行程を変えるわけにもいかず、バラされた行程通りにツアーを進めていました。
他の方から苦情が
最初の観光地で様子を見ていると、他の参加者がマニア氏に文句を言っています。「わかっても言わないのがマナーでしょ?」「楽しみが奪われたじゃない」「何度も行ったなら、もう帰ったら?」と、結構キツイ言い方で攻撃している人もいます。
次に行った食事会場でも、マニア氏の近くには座りたくないと本人に聞こえるように言っていました。最初は得意気だったマニア氏もさすがにしょんぼりしてしまいました。でも、自業自得ですネ。
しかし、どんな方でもお客様です。次にバスが走る前に、「軽くでいいので、皆様に何か言ってみたらいかがですか?」と提案してみました。「謝って下さい」とは言えないので、かなりソフトに促してみました。
潔く謝ってくれました
マニア氏は食後に皆様がバスに乗った時に、大きな声で謝りだしました。「皆さん、すみませんでした。自分が間違っていました。反省しています」と。そして、参加者ひとりひとりに、売店で買ったお饅頭を配りだしました。
参加メンバーの皆様も、さすがに「もういいわよ」「ありがとう」「いろいろ言ってごめんね」などと返していました。
どうなってしまうのかとハラハラしていましたが、この交流のおかげでかえってバス内がまとまりました。マニア氏に「どこが良かった?」とか「どれくらいミステリーに行ったの」など質問を始まり、話が弾む結果となりました。
ミステリーツアーとしての楽しみは無くなってしまいましたが、参加者の皆様は結果的に仲良くなっていただきました。マニア氏もだいぶ反省したようです。
ミステリーツアー対策
私は回数としてはあまりミステリーツアーの添乗は多くないのですが、この初ミステリーツアーでのできごと以来、必ずしていることがあります。
ツアーの最初にこのマニア氏の話をしてしまいます。「行程をバラして、参加者から総スカンになった人がいた」と。また、「どうしても行程を知りたければ個人的に知らせるので、他の人がいない所で質問してくださいね」と。
たまたま、マニア氏が特別だったのか?その後、マナーの悪い人には会っていません。
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