観光列車「花嫁のれん」号

「花嫁のれん」とは

花嫁のれん
花嫁のれんとは、旧加賀藩の能登・加賀・越中に見られる風習に用いられるのれんです。

花嫁が嫁ぎ先の仏間に入る時に掛けられ、こののれんをくぐってご先祖様に「よろしくお願いいたします」と挨拶をするのです。こののれんは「結界」を表すとされ、この先で花嫁の新しい人生が始まるという意味にもなります。

のれんの大きさは縦横180㎝位が一般的です。嫁入りの時に一度だけ用いられるものですが、加賀友禅などの高価な反物が用いられ、この土地の大事な風習であることがうかがえます。

現代においては、この風習は一部の地域を除いて薄れつつありますが、結婚式の披露宴で演出のひとつとして用いられることは今でも多いそうです。

1号車
せっかくの花嫁のれんを「一生に一度」ではなく観光に生かそうと、七尾市の一本杉通りという商店街で「花嫁のれん展」が開かれるようになりました。

毎年、4月の昭和の日から母の日までの2~3週間の期間は、各商店の店先や、個人の家の窓越しにも花嫁のれんが飾られ、多くの観光客の目を楽しませてくれます。

観光列車「花嫁のれん」

花嫁のれんをテーマにした観光列車が運行しています。JR金沢駅からIR(いしかわ鉄道)和倉温泉駅間を約90分で走ります。運転日は金~日曜日と祭日です。

料金は乗車券、特急券の合計で2800円。
昼に運行する花嫁のれん2号では、2500円で弁当・ペットボトル茶がいただけます。
午前と午後の運行の1号、3号では2000円のスイーツセット、夕方運行の4号では2000円のほろ酔いセットがあります。いずれも事前予約が必要です。
花嫁のれん車内
2号車

2車両連結で、1号車にはボックス席の他、カウンター席もあります。
2号車はプライベート感が多少上がる、細い柱で仕切りをしてある座席です。4名席、3名席、2名席がそれぞれあります。

同じ2名席でも席周りの広さに差があり、少々不公平感があります。2人席では2号車の2A・2Bが一番ゆったりしています。シートはリクライニングできませんが、長時間の乗車ではないので、デザイン重視といったところでしょう。今回は弁当付きのプランでしたが、2人で弁当を広げるとテーブルが少々狭く感じます。

弁当は華やかな列車にふさわしい内容です。
車内のインテリアは加賀の伝統工芸をふんだんに生かしたもので、華やかさがありますね。

花嫁のれん弁当
ペットボトルのお茶も付きます
ボランティアガイドが💦

車内ではアテンダントのサービスの他、車掌さんによる案内放送と地元のボランティアガイドによる観光案内があります。

ここのガイドさんたちには、列車内以外でも能登半島のツアーでよくお世話になるのですが、不慣れなのか?要領の悪い人が多いです。

この日も、新人さんと思われる年配男性の方が、ボソボソと教本を読んでいました。練習してきてもあがってしまうのか、地名を何度も噛むので心配になるほどでした。一緒に来ていた先輩らしき女性に代ってからは、安定した聞きやすい案内になりました。

車窓の景色は左右に大きな差はありませんが、1号車のカウンター席が向いている方が若干良いのかもしれません。金沢からの乗車では車窓右側です。

列車好きの方はもちろん、華やかな雰囲気で乗車したい方にお勧めの「花嫁のれん」です。

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