誰に何をきいているの?

何でも質問されます

添乗員は何でも知っている?
そんなことはありません。

植物の好きなお客様に知識で勝てるわけありません。歴史や音楽に詳しい方には教えていただくことの方が多いのです。

海外の高速道路を時速100㎞で走っている時に、「さっき咲いていた白い花は何?」「飛んでいた灰色の鳥は何かしら?」と質問が。
たぶんわからないのですが、せめて私も見ている時に聞いてください。

先日
お客様が、駐車場の脇に咲く黄色い花の名前を質問してきました。たんぽぽにしか見えなかったので「たんぽぽですよね」と返事をしたら、「葉っぱが違うんだよ!」と叱られました。「すみません、私にはわかりません」となぜか謝りました。

ついでなので、最近は花や植物の写真を撮ると、名前が出てくるアプリがあるとお知らせしました。遠回しですが、”じゃ、自分で調べてね”と言う意味なのです。アプリの話は、年配のうるさ型のお客様を黙らせるのに有効です。叱られたので、仕返ししてしまいました。

私に聞くより早い方法がありますよ

ある旅館のフロント前に、古くて立派なひな人形が飾ってありました。チェックアウトのためにフロントにいると、お客様が「この雛人形はいつぐらいのものですか?」と質問してきました。フロントの目の前にいるのに、どうしてホテルの人に聞かないのでしょう?

小さな土産売店で、名物のソフトクリームの大きなポスターがレジ横に貼ってありました。「このソフトクリーム、売っているんですか?」と、どうして私に聞くのでしょう?すぐ横にレジの係がいます。売っているから、大きな目立つポスターを貼っているはずですし、レジの人に聞いた方が早いですよね。

海外なら仕方がありませんが、国内ツアーなのに何から何まで添乗員に聞くのはなぜでしょうか?たまたま飾ってあるひな人形の歴史を、私が知っているように見えたのでしょうか?ホテルの人、店の人に聞いた方が早いとは思わないのでしょうか?

小さな川についた名前とは?

バスでスイスを走っていた時のこと。道の横を流れる幅1mにもならないチョロチョロ流れる小川を指さして「何て言う川ですか?」と質問がありました。あと30~40分走ると、有名な川を渡る予定でしたが、あまりにも突然、小さな水の流れについての質問でした。びっくりして「えっ、右側ですか?」と聞いてしまいました。

すると、そのお客様がカン違いして「右川って言うんですか。面白い名前ですね」と、納得してしまいました。訂正し、「小さな川の名前まではわかりません」と答えましたが、そのままにしておこうかという誘惑にもかられました。

お客様が道端のそれほど大きくもない石を指さして「この石は何ですか?」と質問してきました。私は「。。。さあ」としか言えませんでした。何か字が彫ってあるとか、彫刻されているといった様子もありません。なぜこの石について質問したくなったのか、理由がわかりませんでした。

頼っていただくのは添乗員として喜ばないといけないのかもしれません。それにしても、質問する前に「誰に」「何を」聞こうとしているのか、3秒でいいので考えてみてほしいです。

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