奴隷と令嬢

奴隷は死語だと思っていました

人身売買のイメージ
テレビのドキュメンタリー番組で、世界にはいまだに数千万人の奴隷がいると知りました。

教科書で見たような、売り買いされ奴隷船で送られることは少ないかもしれません。しかし現代には現代の人身売買があり、それによって奴隷のような生活を強いられている人が、数えきれないほどいることにショックを受けます。

子供のない富裕層に子供を斡旋して儲ける人もいるでしょう。
純粋に子供が欲しいというならまだマシです。その子が性的搾取の被害者になることも少なくないでしょう。

国や民族によっては、親の都合で結婚させられる幼い女の子もまだまだ多いです。愛情が芽生え幸せになるかもしれませんが、飽きられて、今度は夫がその少女を売り飛ばすことをもあるようです。

世の中には、解決には程遠い難しい問題が山積みです。私が何ができるというわけではありませんが、まず知ることから始めています。

奴隷と共に生活する少女

あるドキュメンタリー番組で、私にとって衝撃的な場面がありました。

豪邸のイメージ
豪邸のイメージです
インドのある少女(9~10歳位)が祖父母の代からの借金のため、富裕層のお屋敷で奴隷として働いています。少女が一生働いても返しきれない借金のようです。

少女の担当は、同じ年のその家の令嬢とその弟です。「○○持ってきて」「○○して」と、事あるごとに用事を言ってきます。奴隷の少女は令嬢が学校に行っている間、机の上のペンやノートを羨ましそうに見ています。

奴隷の少女は学校にさえ行けないのです。勉強したい、学校に行ってみたいという夢はあっても、生まれながらに奴隷という運命を受け入れざるを得ないのです。
少女がその時点で、身体的苦痛を受けることなく、食べるものに苦労せずに生活できていることが、せめてもの救いです。

ひとつのシーンでは、あまりのことに私は言葉を失うこととなりました。

令嬢の夢とは?

インドの学校の様子
インタビュアーが令嬢に将来の夢を聞きました。すると「アフリカの貧しい国の子供たちを助ける仕事がしたいの」と言ったのです。その間にも「ジュース持ってきて!」と命令しています。

きっと令嬢は、学校などでアフリカの飢えた子供たちのことを知り、純粋に同情し、力になりたいと思ったのでしょう。彼女の正義感は、生まれた時から当たり前にいる目の前の少女には向かないのです。

一番の格差は、格差が目の前にあることに気付いてさえいないことではないか?とショックで悲しくなりました。美しい正義感でアフリカの子供を心配しながら、学校に行けない同い年の少女に毎日用事をさせていることに、令嬢は気付いていません。

数年前に見たドキュメンタリー番組でしたが、今あの少女たちはどうなっているのでしょうか?

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