今、改めて「ひまわり」を
だいぶ前にもリバイバル上映されていたのを見たことがあるので、今回で2回目です。
冒頭から圧巻のひまわり畑の映像が流れます。スクリーンの大きさならではの迫力がありました。ストーリーを知っているだけに、早くも涙が滲んできました。
映画「ひまわり」とは
1970年公開のイタリア映画です。監督はイタリアの巨匠ビットリオ・デ・シーカ、音楽はヘンリー・マンシーニ、主演はイタリアのゴールデンコンビ、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニです。この4人が揃っただけで、名作と言って良いくらいですね。
当時、「ソビエト連邦で初めてロケをした西側の映画」だったそうです。地平線にまで広がるような広大なひまわり畑は、当時のソビエト連邦時代のウクライナ共和国の首都キエフ(今はキーウと呼ばれています)から南に約500Kmほどの場所です。
私は添乗の仕事でロシアには何度も行きましたが、残念ながらウクライナには行ったことがありません。団体ツアーでは滅多にウクライナに行くことがないからです。
今回は国際情勢もあり、50周年HDレストア版として、全国各地で上映されています。
ストーリーは
(ネタバレあり)
ジョバンナとアントニオは、結婚すると出征までの休暇が12日もらえることを目当てに正式に結婚します。更に出征をせずに済むように精神病のフリをしますが、当局に見抜かれてしまいます。
「毛皮を買ってすぐ帰るよ」と約束をして、アントニオはロシア戦線へ。しかし厳しい寒さと、劣勢な戦況のため命を落とす兵士が続出。アントニオも凍傷で歩けなくなり、隊列から離れ瀕死の状態に。奇跡的に地元の女性に助けられましたが、当初は記憶を失った状態でした。
数年後。ジョバンナはアントニオの戦死の通知がないことから、「絶対に生きている」と信じています。はるばるソビエトまで行き、大使館員の助けを借りてアントニオを必死に探します。その途中で歩くのが広大なひまわり畑です。
やっと見つけたアントニオは、ウクライナの女性と家庭を持ち、子供までいました。駅のホームで再会し、見つめ合う目と目。すべてを確認したジョバンナは、走り始めた列車に飛び乗り泣きながら、イタリアへと帰っていきます。
更に時が経ち、アントニオがイタリアにやってきて、「会いたい」と連絡してきます。再会を果たし「すべてを捨ててやり直そう」と言うアントニオ。しかしすでにジョバンナにもパートナーと赤ん坊がいました。
過ぎ去った時を戻すことはできないと悟った二人。ミラノ中央駅でソビエトに帰るアントニオを見送るジョバンナでした。
印象的なシーンは
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ずいぶん前に見たのに忘れられないシーンがあります。
新婚の二人が24個の卵でオムレツを作って、お腹いっぱい食べるシーンです。新婚の楽しさとその後の悲劇を思い、胸に迫るものがあります。
また、卵を焼く時にジョバンナは「油」、アントニオは「バター」を使うというセリフがあります。イタリアというとオリーブオイルのイメージが強いですが、実はミラノなどの北部の地域ではオリーブオイルよりバターが使われるのです。短いセリフのやり取りですが、こんなところに二人の出身地の違いを感じます。自分で卵料理を作る時も、ついこのシーン思い出してしまいます。
ジョバンナが産んだ赤ちゃんが映画に出てきますが、実際に前年にソフィア・ローレンが産んだ子供が出ているとのことです。
そして今、両国を思う時間を
今、特に外国にいるロシアの人々は辛く、肩身の狭い思いをしています。ウクライナの人々に思いを寄せることも大事ですが、結局戦争で辛い思いをするのは弱い立場の人なのです。
ロシアとウクライナの戦争がなかったとしても、映画自体が素晴らしいのでぜひ、多くの方に見てほしいです。
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