お客様にナンパされた話

ツアーのお客様に気に入ってもらえて

列車のイラスト
それは添乗員にとって大事なことです。
どんなに気難しい方でも、どんなに小さな子供でも。

私は自分が子供好きなせいか、レベルが同じせいか(?)ツアーに参加した子供になつかれることが多いです。

ある時小学生の女の子2人姉妹が私から離れず、最後にはお母さんに叱られて泣いてしまったことがありました。

気に入られて嬉しかったのですが、仕事にならないほど腕にしがみ付かれていたのでした。お母さんにも気を遣わせて申し訳なかったのです。

部屋番号教えてよ!

あるツアーの時は、小学4年生くらいの男の子がなついてきました。「添乗員さん、添乗員さん」と、常に私を気にかけてくれます。

ツアーの方が食事を始める様子を見ていたら、「添乗員さんも食べてね」と、優しい気づかいの言葉。大人の方でもなかなか言わないようなことを、一生懸命言ってくれます。
ホテルのイラスト

あるホテルでのこと。周りに何もない場所だったため、夕食後にほとんどのお客様が売店でお土産を見ているというタイミングでした。

その男の子が気取った声で私に言いました。
「ねえ、添乗員さんの部屋番号教えてよ。僕のも教えてあげるからさぁ~」と。

そこにいたほとんどの大人たちが大笑いしてしまいました。
私が彼の部屋番号を知らないはずがないのです。大人たちは当然わかっています。

しかも無邪気に、皆の前で女性添乗員の部屋番号を聞いているのです。
海外旅行なら当然部屋番号は伝えますが、国内ツアーです。フロント経由で連絡は取れますし、携帯電話で直接連絡すれば済むことなので、わざわざ部屋番号を伝えることは通常はしていません。

彼を連れてきていたおばあちゃんが「あんたは、余計なこと聞かなくていいの!」と言い、とうとう叱られてしまいました。
あんなに男性のお客様に好かれたことはなかったように思います。私にとっては楽しくて幸せな思い出になっています。

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