外国人の質問➁アイヌは？

ネイティブカナディアン 

私がカナダにいた時のこと。

カナダの先住民である、いわゆる「インディアン」や「イヌイット（エスキモー）」について調べていました。

現地の文献も読みつつ、現状がどうなっているのか？と興味を持って色々な人に質問をしていました。

ある日、「日本の先住民族はどうなっているの？」と聞いてきた人がいました。

「えっ！先住民族？」と、一瞬言葉が止まった私に「アイヌがいるでしょ！」と。

アイヌとは「人間」という意味

アイヌはかつては樺太から本州北部にまで居住し、オホーツク海一帯で主に狩猟した獲物を物々交換することで経済活動をしていました。19世紀になると、他の多くの先住民族と同様に列強国に編入され、アイヌは日本国民またはロシア国民となりました。

アイヌは元々豊かな独特の文化を持っていましたが、文字を持っていませんでした。明治政府から始まった本格的な蝦夷地開拓に伴い、同化政策と差別を受けてきました。

多くのアイヌは土地を所有するという概念がなかったことから、本州から渡ってきた日本人（和人）に奪われたり、不当に安く買い取られ、住む場所を奪われていきました。

現在は少数民族や先住民族の文化を保護し、権利回復が法律的にも図られていますが、まだまだ問題はあるようです。

ツアー添乗で何度も阿寒湖周辺に行きました。観光用ではあっても「コタン」と呼ばれるアイヌの村を再現した一角があります。劇場でアイヌ舞踊を見たり、売店で独特の織物や木彫りの置物を見たり、買ったりすることで、アイヌ文化の一端に触れることができます。

アイヌの話ばかりになりましたが、琉球人という先住民も日本にはいます。

一人一人に何ができることは小さなことですが、まず知っているということから始めてみましょう。